2018年7月度の軽自動車販売台数が全軽自連より発表されました。本記事ではそのデータをもとに詳しく分析したいと思います。新車ご購入の参考になれば幸いです。
今月のポイント:ジムニー、ミラトコット、N-VAN
※通称名については同一車名のものを合算して集計しています
目次
軽自動車販売台数ランキング
7月度
順位 | 車種名 | メーカー | 販売台数 |
1 | N-BOX | ホンダ | 19,668 |
2 | スペーシア | スズキ | 11,843 |
3 | デイズ | 日産 | 11,703 |
4 | ミラ | ダイハツ | 11,205 |
5 | タント | ダイハツ | 10,708 |
6 | ムーブ | ダイハツ | 10,196 |
7 | ワゴンR | スズキ | 8,446 |
8 | アルト | スズキ | 5,878 |
9 | ハスラー | スズキ | 5,557 |
10 | ジムニー | スズキ | 5,062 |
11 | N-WGN | ホンダ | 4,315 |
12 | eK | 三菱 | 3,970 |
13 | キャスト | ダイハツ | 2,851 |
14 | ウェイク | ダイハツ | 2,602 |
15 | ピクシス | トヨタ | 1,922 |
メーカー別販売台数
以上の販売台数上位15位の中に含まれる車種数をメーカー別で分類するとこのようになります。
メーカー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
ダイハツ | 5種 | 5種 | 5種 | 5種 | 5種 | 5種 | 5種 |
スズキ | 4種 | 5種 | 4種 | 5種 | 5種 | 5種 | 5種 |
ホンダ | 3種 | 2種 | 3種 | 2種 | 2種 | 2種 | 2種 |
日産 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 |
三菱 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 |
トヨタ | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 | 1種 |
マツダ、スバル:0車種
相変わらず大ヒットのホンダN-BOXですが、N-ONEやN-SLASHはそろそろテコ入れが必要でしょう。
ランクインしている台数は各社ともに上記のようになっており、ほとんど固定化されてきた印象です。
各社トップセールス
1 | ホンダ | N-BOX | 1位/15位 |
2 | スズキ | スペーシア | 2位/15位 |
3 | 日産 | デイズ | 3位/15位 |
4 | ダイハツ | ミラ | 4位/15位 |
5 | 三菱 | eKワゴン | 12位/15位 |
6 | トヨタ | ピクシス | 15位/15位 |
今月も先月に引き続きホンダのN-BOXがトップとなりました。順位は先月から全く変わっていません。9月1日にフルモデルチェンジをしたN-BOXが大きく評価されています。
スズキはスペーシアを12月14日に発売を開始していますが、先月に引き続き今月も2位につけています。似たようなN-BOXとの差もまだまだありますが、大いに評価されていると言えます。価格差が大きなポイントでしょう。
ダイハツはミラが最高位となっており、次いでタントときますが、タントの勢いが薄れてきた印象です。
売上トップの軽トールワゴンは?
上位15位に含まれる軽トールワゴンは、販売台数の多い順に以下の通りでした。
※同一名の車種は除く
順位 | メーカー | 車種 | 販売台数 |
1 | ホンダ | N-BOX | 19,668 |
2 | スズキ | スペーシア | 11,843 |
3 | ダイハツ | タント | 10,708 |
4 | ダイハツ | ウェイク | 2,602 |
各社ともにラインナップしている軽トールワゴンは15台中4台を占め、人気ということが改めて分かります。
N-BOX、スペーシアがモデルチェンジをしており、やや出遅れているダイハツタントですが、そろそろモデルチェンジの話が出てくる頃でしょう。2017年東京モーターショーに出展されていたコンセプトカー「DN U-SPACE」が後継と考えられます。
出展:www.response.com
日産デイズ、三菱eKの格差
日産自動車と三菱自動車の合弁企業「NMKV」が製造する車ですが、販売数に大きな差があります。
車種 | デイズ | eK | 大小の比率 |
8月 | 9,644 | 2,705 | 3.6 |
9月 | 15,353 | 5,528 | 2.8 |
10月 | 5,961 | 2,380 | 2.5 |
11月 | 8,624 | 3,726 | 2.3 |
12月 | 9,288 | 3,019 | 3.1 |
1月 | 14,843 | 3,466 | 4.3 |
2月 | 14,294 | 4,544 | 3.1 |
3月 | 16,233 | 7,128 | 2.3 |
4月 | 7,605 | 1,942 | 3.9 |
5月 | 8,543 | 2,613 | 3.3 |
6月 | 10,260 | 4,248 | 2.4 |
7月 | 11,703 | 3,970 | 2.9 |
eKは燃費偽装のイメージが、デイズは不正検査のイメージがつくことになった不遇な車ですが、基本的に同じ車であってもブランドイメージにより販売台数には差があります。販売台数格差比率は先月から減少しました。
日産デイズシリーズ、三菱eKシリーズはともに19年モデルへと移行し、軽自動車初の歩行者対応踏み間違い防止アシストの機能を伝えています。このあたりでともに販売台数増加となるか、注目です。
新型のeK、デイズは2018年度中と言われています。
しかし次期型の開発を主導するのは日産となるようです。
三菱の燃費不正の件もあり当然の流れのように思えますが、そもそも三菱の燃費不正は、日産が次期型の開発を行うに当たりデータを見返していた時に発覚したといいます。つまり燃費不正が起きたから開発を交代したというより、もともと次は日産が開発担当となる予定だった可能性もあります。
しかし日産は日産で完成検査不正が明るみになっており、危険なところです。現行eK/デイズは三菱自動車での生産のため問題はありません。
ホンダNバン 発売開始
ホンダの人気軽ハイトワゴンN-BOXのプラットフォームをベースにした商用モデル「N-VAN」が7月13日発売を開始しました。ホンダのN-VAN(エヌバン)のページが更新され、多数の画像が公開となりました。
2018年5月をもって「バモス/バモスホビオ」は生産終了となりました。ホンダは商用モデルにおいても、Nシリーズの新世代アーキテクチャへの変換を進めるとされます。
来月のランキングに現れるかが注目です。
ジムニーがついに発売!
新型「ジムニー」が7月5日発売を開始しました。
ジムニーはスズキが発売する本格的オフロード4WD車。回4代目となる新型は20年ぶりのフルモデルチェンジになります。
その注目ぶりも手伝って、今月は10位5,062台でランクインしています。ジムニーがランキングに現れるのは珍しいので、その人気ぶりが伺えます。納車にも相当時間がかかると言われており、しばらくジムニーフィーバーが続くものと思われます。
ミラトコット 発売開始
ダイハツのミラココア後継である「ミラトコット(TOCOT)」が6月25日発売開始となりました。同時にTV-CMも公開しています。
今年春先に生産を終了した「ミラココア」の後継車種として位置付けられているモデルです。
6月度のミラの販売台数が9,114台だったことを考えると、7月度ミラの販売台数は11,205台ですから、「トコット効果」があったと見られます。トコット単体での台数は明らかではありませんが、ジムニーに持ってかれた感は否めません。
まとめ
話題になっていた新型車が6~7月で一斉に発売となっています。
新型ジムニーは海外でも「ベイビーG」(メルセデスGクラスの赤ちゃん)として人気を博しており、販売を求む声が少なくありません。日本のチューナー「LibertyWalk」がGクラスになりきれるボディキットの発売を予告していたりと、いろいろ遊べる車であることは間違いありません。
N-VANも発売となり、ジムニー宜しく車中泊やバイクの搭載などこちら遊べる軽自動車となっているようです。これまでの軽バンのイメージを一新する革新的なモデルですが、この革命は果たして成功となるでしょうか。成功した暁には、Nシリーズのさらなる拡大狙ったN-TRUCKの発売はあるのでしょうか。
今後もますます進化する軽自動車から目が離せません。