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【国内】マイナー軽自動車対決「ラパン vs キャスト」

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軽自動車の人気はとどまるところを知りません。

日本自動車工業会が2020年5月5日までにまとめた2019年度の乗用車市場に関する動向調査によると、乗用車の保有全体に占める軽乗用車の比率はなんと38%という高い比率であることが分かりました。

維持費の安さなどが評価され、地方を中心に存在感が高まっている軽自動車ですが、各社ラインナップに必ず存在し、国内のニーズに対応させています。しかし多種多様なモデルがある中で、いまいちパッとせず存在感の薄いモデルがいるのも事実です。

そこで、個人的に選ぶマイナー軽自動車である「スズキ・ラパン」と「ダイハツ・キャスト」を比較してみたいと思います。

目次

バックグラウンド

この2車種はどちらも軽自動車ですが、ラパンはハッチバック(軽セダン)、キャストはトールワゴンという違いがあります。

スズキ・ラパン

初代は2002年の発売。3代目である現行モデルは2015年の発売。

ダイハツ・キャスト

初代である現行モデルは2017年の発売。

外観

まずは外観から比較してみます。

ラパン 「好きを、ぎゅっ。」

【カラーバリエーション:モノトーン12色】

キャスト 「MY FAVORITE STYLE」

【カラーバリエーション:モノトーン6色/ツートン7色】

先代である2代目ラパンは若い女性が購買層の中心であったことから、3代目の開発にはスズキ社内の商品企画や技術企画のスタッフなどで構成される「女性ワーキンググループ」を立ち上げ、企画・マーケティング段階だけでなく開発の各段階において明確に女性をターゲットにした車造りがなされています。そのためデザインは丸みのある女性らしいデザインが特徴的です。

キャストはスタイル、アクティバ、スポーツの3種類が用意されていましたが、2020年3月31日にアクティバ、スポーツが生産を終了しており、記事投稿時点ではスタイルのみが継続販売されています。一見シンプルなデザインに見えますが、サイドのプレスラインやフロントの造形などに凝った作りが伺えます。

内装

ラパン

キャスト

ラパンのインパネは、まるで北欧のインテリアかのようなプレーンかつオシャレなデザインが特徴で、自分の部屋のような落ち着いた雰囲気となっています。

メーターにはマルチインフォメーションディスプレイを搭載。エンジンをかけるとうさぎのキャラクターが顔を出し、アニメーションと音声で各種車両情報をお知らせしてくれます。さらに誕生日や季節のイベントの日には、その日にちなんだメロディも再生するなど楽しい演出が車のキャラクターを際立たせます。

キャストのインパネは上質でシックなデザインが特徴です。

メーターにはタコメーターも搭載されており、より乗用車的でワンクラス上の雰囲気を感じます。

スペック

サイズ

ラパン キャスト
FF/4WD FF/4WD
全長(mm) 3,395 3,395
全幅(mm) 1,475 1,475
全高(mm) 1,525 1,600
ホイールベース 2,460 2,455

全長、全幅は同じですが、全高はキャストの方が75mm高くできています。いずれもFF/4WDが選べますが、寸法に違いはありません。。

最小回転半径はラパン「4.4m」、キャスト「4.7m」です。

※軽自動車
・排気量:660cc以下
・全長:3400mm以下
・全幅:1480mm以下
・全高:2000mm以下
・定員 4名以下
・貨物積載量 350 kg以下

上記項目を1つでも上回ると小型自動車(登録者)となります。

エンジン

ラパン:1種

・水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT

キャスト:2種

・ツインカムDVVT3気筒12バルブエンジン

・ツインカムDVVT3気筒12バルブインタークーラーターボ付きエンジン

燃費

燃費(km/L) ラパン キャスト
CVT 5ASG  CVT,ターボ CVT
2WD 4WD 2WD 4WD 2WD 4WD 2WD 4WD
JC08モード [国土交通省審査値] 35.6 33.2 29.6 27.4  27.0 25.0 30.0 26.8
WLTC[国土交通省審査値]
市街地モード
郊外モード
高速道路モード

いずれもWLTCでのカタログ値はありません。

最も燃費が良いのは、ラパン:CVT2WDグレード。最も悪いのはキャスト:CVT4WDターボグレードです。いずれも標準的な低燃費を達成しています。

【新車】燃費の基準が変わるって、一体いつから?

走行性能

いずれも走行性能を売りにした車ではありませんが、走りに関する特徴を比較してみました。

ラパン 【5速オートギヤシフト(5AGS)

XTグレードにのみ、MTとATの利点を両立させたトランスミッションであるオートギヤシフト(AGS)を搭載。クラッチとシフト操作をコンピューターが最適制御して燃費向上に貢献します。クリープ機能やPレンジも採用し、操作性はATやCVTと同等なのでオートマチック限定免許で運転できます。マニュアルモードを選べば変速も思いのままにキビキビした走りが楽しめます。

キャスト 【Dアシスト】

パワーモードスイッチをステアリングに搭載。走行中、ONとOFFの切り替えを簡単にステアリングから手を離すことなく行えます。主にシフトポジションが「D」レンジのときにスイッチをONにすると、エンジンの回転数を上げ、スロットルをより高開度に制御することで、軽快な走りとスムーズな加速を実現。また、スイッチOFF時は通常どおり燃費の向上に貢献するエコモードとなります。

先進安全装備

最近の自動車には当たり前の先進安全装備を比べてみましょう。一番良い装備のグレードを比較しています。

<ラパンの先進安全装備〔全車標準装備〕>【サポカーSワイド】

ラパンはいわゆる自動ブレーキ(対歩行者)に加え、誤発進抑制機構、車線逸脱警報、先進ライトが装備されているので、セーフティ・サポートカーSワイドに該当しています。最もレベルの高いシステムが採用されています。

(標準装備:4グレード/4グレード)

<キャストの先進安全装備〔全車標準装備〕>【サポカーSワイド】

キャストはいわゆる自動ブレーキ(対歩行者)に加え、誤発進抑制機構、車線逸脱警報、先進ライトが装備されているので、セーフティ・サポートカーS ワイドに該当しています。こちらも最もレベルの高いシステムが採用されています。

(標準装備:5グレード/5グレード)

出典:JAMA 一般社団法人 日本自動車工業会

価格

ラパン

グレード 駆動方式 メーカー希望小売価格(消費税込)
X 2WD \1,437,700
4WD \1,542,200
S 2WD \1,331,000
4WD \1,435,500
L 2WD \1,250,700
4WD \1,362,900
G 2WD \1,127,500
4WD \1,239,700

キャスト

グレード 駆動方式 メーカー希望小売価格(消費税込)
Gターボ“プライムコレクション SA Ⅲ”  2WD \1,611,500
4WD \1,738,000
 Gターボ“SA Ⅲ” 2WD \1,545,500
4WD \1,672,000
 特別仕様車 Gターボ“VS SA Ⅲ” 2WD \1,512,500
4WD \1,639,000
G“プライムコレクション SA Ⅲ” 2WD \1,507,000
4WD \1,633,500
G“SA Ⅲ” 2WD \1,441,000
4WD \1,567,500
特別仕様車 G“VS SA Ⅲ” 2WD \1,402,500
4WD \1,529,000

ともに2WD、4WDが選択できる豊富なグレード展開となっています。キャストの方が少々高く設定されていますが、性能的な違いはそこまでないので、内装などの好みで選ぶのがベストでしょう。

結論

今回比較したラパン、キャストは、ともに最新の軽自動車であるということを改めて再認識しました。

ラパンは他の車にはないキャラクター作りがしっかりとされています。キャストはエンジンを2種類用意し、走りに選択肢を与えているのが意外な点でした。いずれもコンパクトな軽自動車ながら安全装備は最新のものをしっかりと盛り込んでいるところに好感が持てます。しかしなぜあまり存在感を示せずにいるのでしょうか。

これは個人の考えにほかなりませんが、ラパンの場合、女性をターゲットにしたことが大きいと感じられます。

2代目までのラパンは一つのグレードとして女性仕様のようなモデルが存在していましたが、この3代目から明確に女性をターゲットにしています。開発にも女性の意見を盛り込んだようですが、それは「一般的な女性」が好みそうなものをイメージしたものであり、結果的に「丸くて可愛い」といったテイストになっています。もちろんそういったものは男性よりも女性の方が好む傾向にありますが、あまりにも女性過ぎることが、かえって女性からしても共感を得られなかったこと。さらに男性の購入を完全にシャットアウトしてしまったことが理由と考えられます。

一方のキャストですが、作り込みや性能は十分ですが、キャラクターが弱いことが理由に考えられます。

先述したようにキャストにはスタイル・アクティバ・スポーツといった3つのテーマが存在していました。これは外装パネルを変えることで違ったキャラクターに変更できるという、コペンにも採用されたコンセプトだったのですが、これにより結果的にキャラがブレることになってしまいました。「本当のあなたはどれ?」状態です。さらに世間的なカスタムモデルというのは少々厳つめのスタイルが好まれるようで、上質を売りにしたキャスト・スタイルの良さを軽自動車に求める層が多くなかったことも考えられます。アクティバ、スポーツの販売を終了したことからも、その行き先が気になることろですが、アクティバは軽SUVとしてタフトを実質的な後継車としてにその座を譲ることになります。

もちろん個人の意見ですが、皆さんはこの2台ではどちらを選びますか?

出典:https://www.suzuki.co.jp, https://www.daihatsu.co.jp

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