クラログ

自動車関係の情報、ゲーム、ニュース紹介ネタを中心に気ままにお届けする雑記ブログです。

トヨタ 動画 情報 自動車

【トヨタ】プリウスの”4WD”、ほぼFFだった

投稿日:

Pocket

4WDと聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

4輪ともに力強くパワーを発揮して、どのような路面状況でも確実に進んでいけるようなイメージをお持ちではないでしょうか。だとしたら、それは大きな誤りです。

トヨタ・プリウス E-Fourの例

2015年に発売、販売されている4代目トヨタ・プリウスには2WDと4WDのモデルが存在し、そのうち4WDにあたるのが“E-Four”システムを搭載したモデルになります。

E-Fourとは

後輪をモーターにより駆動させる電気式4WDで、前輪との機械的な接続はありません。

トヨタのホームページにはE-Fourについて以下の記述があります。

雪道などの走りも安全。

無駄なく、賢く、そしてスムーズに・加速時や雪道などの滑りやすい路面で、スムーズに4WD状態へ切り替えることで、発進性、走行安定性をアシスト。またシステムを小型軽量化し、車両後方にコンパクトに配置することで、低燃費に貢献しながら、足もとスペースや荷室容量のゆとりも確保。前後輪トルク配分量をマルチインフォメーションディスプレイに表示します。

E-Fourは、機械式4WDとは機構および性能が異なります。様々な走行状態に応じてFF(前輪駆動)走行状態から4WD(4輪駆動)走行状態まで自動的に制御し、安定した操縦性・走行の安定性および燃費の向上に寄与するものです。

これ以上の説明がないので分かりにくいのですが、ギュッとすると「あくまで前輪走行をアシストするための電気式4WDシステム」ということです。悪路や雪道でどの程度役に立つのかは記載されていないので、実際の道路環境での効果は未知数と言うほかありません。

しかし、実際に後輪がどれだけの力を持っているのか、テストした動画があります。

ローラーテスト


▶The 2020 Toyota Prius AWD-e STRUGGLE In the TFL Slip Test: Here’s What Happened! – TFLnow

アメリカのカーメディア TFLCARが、このE-Fourシステムの効果を確認するテストを行いました。以下簡単に説明します。

①E-Four(海外名AWDe)のモデルを用意し、まずは後輪をローラーにのせ、スリップしやすい状況を再現します。つまり前輪の駆動のみで脱出するかをテストします。プリウスはFFなので、このテストは全く問題ありません。

AWDのシステムは1.8Lガソリンエンジンが96馬力を発揮しますが、これは全て前輪向けのものです。後輪はエンジンと機械的に繋がっておらず、わずか7.2馬力のモーターにより駆動します。芝刈り機よりも少ない馬力ですが、55N・mのトルクを発揮します。

②今度は前輪がスタックした場合を想定し、後輪のみで脱出できるかをテストします。モードは何も選択せずアクセルを踏みますが、動きません。モニターには後輪に力が行っていることを示す表示がでていますが、十分ではないようです。

トラクションコントロール(TCS)を切ってみますが、これでも無理です。完全にスタックしてしまいました。TCSを戻しパワーモードにしてみますが、フルスロットルでも脱出できません。後輪は全く仕事をしてくれず、人に押してもらってようやく脱出できました。

やはり小さなモーターでは、力不足です。このモーターは0~10km/hの発進時や70km/hまでに前輪がスリップしたような特定の場合にのみ駆動するようになっており、こういったスタック時に役立たないのは残念です。

③雪を想定した追加テストを実施します。右前輪、左後輪をローラーにのせ、アクセルを踏みます。TCSが作動しているのを感じます。なんとか脱出できましたが、やっとこさです。

④今度は3輪をスリップさせます。後輪2輪、右前輪をローラーにのせます。アクセルを踏みますが、脱出できません。TCSを切ってみますがより酷くなっただけです。二人に押してもらい、ようやく脱出できました。

その価値なし?

限られた場合にのみ作動する後輪なので、雪道での発進や、FFに比べて安定性が高いという以外に恩恵はほぼ感じられません。FFでもちゃんと運転すればカバーできる内容ですので、これをオールマイティな4WDだと思いこむと、悪路で痛い目を見ることになりそうです。

しかしグレードとして存在し、当然FFのモデルよりも価格は高くなります。比較してみましょう。

2WD 4WD
特別仕様車S”Safety Plus Ⅱ” \2,755,000 \2,953,000
Aプレミアム”ツーリングセレクション” \3,359,000 \3,557,000
Aプレミアム \3,248,000 \3,446,000
A”ツーリングセレクション” \3,077,000 \3,275,000
A \2,910,000 \3,108,000
Sツーリングセレクション” \2,826,000 \3,024,000
S \2,655,000 \2,853,000
E \2,608,000

4WDグレードは2WDに比べて198,000円価格がUPしています。

当然、4WDの方が重量がUPしていますので燃費が落ちます。燃費を落とすだけの価値があるかと見るかどうかは個人の判断にゆだねられますが、個人的には”あってもなくてもいい”ように思いますので、わざわざ4WDは選びませんね。

しかし、世の中の4WDは今やほとんどがこのシステムと同様のものです。前輪駆動をメインとし、モーターで後輪を駆動させてアシストするのが、最近の4WDシステムです。とはいえ、前後輪のトルク配分やモーター出力によってその味付けは大きく変わってきますので、このシステムが一概に役立たないわけではありません。

4WDを検討される際は、後輪にどの程度重きを置いているかを意識してみてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-トヨタ, 動画, 情報, 自動車

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

【日産】アメリカ市場から商用バン撤退

経営状態が思わしくない日産自動車。 ゴーン時代の拡大路線からの立て直しが急務となっていますが、その中で車種整理は避けて通れません。大きく広がった販路から利益の出ないものを切り捨てる時が来たようです。 …

【新型】トヨタセンチュリーが公開!これが日本の高級車だ。

トヨタ自動車は同社が誇る最高級セダン「センチュリー」を21年ぶりにフルモデルチェンジし、3代目となる新型センチュリーを初公開しました。 本記事では、先代のセンチュリーとコンセプトの内容を踏まえ、どのよ …

新型フィット どう変わる?デザイン比較

ホンダの人気コンパクトカーの「フィット」は2001年に初代が発売されました。低価格・低燃費のため大人気となり、今や3代目と10年以上歴史のあるホンダを代表する車となっています。 そんなフィットですが、 …

【日野】壊滅状態!…そして「空飛ぶタイヤ」の意外な真実

2022年夏。日野自動車が大変なことになっています。 不正に次ぐ不正が明らかになり、国内で売る車がなくなってしまいました。 目次1 小型トラックでも2 日野自動車HPにて3 OEMと他社エンジン搭載車 …

100年で車はどう進化した?映像で見る交通事情の変化

自動車の歴史は古く、ざっと100年を超えます。 時代に応じて常に進化を続ける自動車ですが、その形跡をたどった面白い動画をご紹介いたします。 目次1 どの時代がお好み?2 海外のコメント3 おまけ どの …

スポンサーリンク


管理人のクースキーと申します。

自動車関係の情報、ゲーム、ニュースなどをより多くの方に共有したく思い、個人的にお勧めする内容をこのブログにまとめていくことと致しました。

ときには生活用品など、気ままにお届けいたします。宜しくお願い致します。
記事内では一人称が「私」だったり「俺」だったり「自分」だったりしますが、現実では「僕」です。

ちなみに自動車はMT派です。ლ(´ڡ`ლ)

2023年6月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
スポンサーリンク