新型車を市場に投入する際、いかにアピールするかが重要になります。
そういったタイミングで稀にメーカーが「オリジナルキャラクター」を制作することがあります。いくつかの事例をご紹介いたします。
目次
カクカクシカジカ(ダイハツ)
ダイハツ・ムーブコンテは、ダイハツ工業が2008年から2017年まで製造・販売していたムーヴシリーズの軽トールワゴン。
そのデビューと同時に登場したシカのマスコットキャラクター「カクカク・シカジカ」は、当初コンテのマスコットキャラクターとして登場したものの、次第に他のキャンペーンCMにも登場するようになりました。
今では同社を代表するマスコットキャラクターとして活躍するまでになっています。何と現在家族がおり、2児の父でもあります。公式ファンサイトを覗いてみてください。
いつの間にかイマドキのパパになっていた
イプー(トヨタ)
トヨタ・イプサムは1996年から2001年までトヨタ自動車が生産・販売していたミニバン。
初代の発売にあわせて「イプー」というキャラクターが登場しました。黄色い体に大きな鼻。その親しみやすさからCMやカタログ、グッズなど様々な形でアピールされていました。
山口県岩国市にある「山口トヨペット麻里布店」には、当時建てられたであろうイプー像が2022年現在でも健在しているようです。
見た目によらずCMでは喋っていた
Nコロ(ホンダ)
N-BOXやN-ONEといった今ではおなじみとなったホンダの軽自動車「Nシリーズ」が登場した2015年。
そのNシリーズの盛り上げ役として、子犬のキャラクター「Nコロ」が登場しました。ホンダ公認のキャラクターとして人気声優の竹内順子さん(うずまきナルト役など)を起用し、かなり気合を入れていたと見受けられます。誕生日は初代N-BOXが登場した2015年12月16日、出身地は三重県の鈴鹿市などと詳細なプロフィールまで用意されていました。
「Nコロくんの部屋」という特設サイトがあったものの、2022年現在閉鎖されています。ホンダのホームページ上にも見当たらないことから、ひっそりとその役目を終えてしまったと思われます。
キャラクター無くともNシリーズは大ヒットとなった
育てるクルマ(トヨタ)
異業種合同プロジェクト「WiLL」のクルマシリーズ第3弾として2002年に登場したWiLL・サイファ(CYPHA)。
当時トヨタが開発した情報ネットワークサービス“G-BOOK”の車載端末を標準装備し、携帯電話などを接続しなくてもワンタッチでネットワークに接続が可能。ユーザーが入手した情報を蓄積してナビゲートできる等、ユーザーの嗜好に合わせて車が成長する“育てるクルマ”というコンセプトでした。
この車に合わせてイメージキャラクター「育てるクルマ」が登場。4本足で歩くクラゲのような奇妙な見た目をしていますが、CMやカタログにたびたび登場しグッズ化もされました。
今では考えられないセンスが光る
低燃費少女ハイジ(日産)
日産・ノートは日産自動車が製造・販売するハッチバック型の乗用車。
2005年に登場した初代には、販売促進用に制作された「低燃費少女ハイジ」というアニメ作品がありました。本家「アルプスの少女ハイジ」を制作したズイヨー映像協力のもと制作されたパロディ作品で、ハイジ役を芸人の友近、おんじ役を同じく芸人の河本準一(次長課長)が演じるなどユニークなものとなっていました。
初代ノートの公式サイト内には特設ページが設けられ、CMアニメの他にwebアニメも作成さるなど一世を風靡しました。今ではスマートになったノートも、初代は結構お茶らけていたのです。
今見ても普通に面白い
チアキのジャーニー(ホンダ)
2022年1月、ホンダが北米市場で展開する高級車ブランド「ACURA(アキュラ)」は、アメリカ・ユタ州パークシティで開幕したサンダンス映画祭において、アキュラのハイパフォーマンスモデルである「タイプS」シリーズが登場するアニメ作品、「Chiaki’s Journey(チアキのジャーニー)」を公開しました。
主人公である女性チアキが、ライバルとのサーキットバトルに勝利するために、様々な困難を乗り越えながら成長していくというストーリー。シリーズは4部構成となっており予告編・本編ともに、日本のアニメを強く意識した仕上がりとなっています。
公式アニメとは珍しい
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いずれのキャラクターも様々な形で新型車をPRする役割を担っています。
アキュラの例は割と最近ですが、もっとこうしたオリジナルキャラクターを制作しても面白いのではないかと思います。新型モデルをイメージしたキャラクターをグッズ化すれば、車とセットで人気になりそうな気はするのですが…。
しかし、いくらキャラクターが可愛くても車がイマイチではメーカーにとって嬉しい結末にはならないでしょう。逆にキャラクターがイマイチなら、車の足を引っ張る可能性すらあります。当然キャラクターの制作にもコストがかかりますし、そうしたリスクは極力避けるのが無難だと思います。
もし今後オリジナルキャラクターが登場したとしたら、よほど自信があるとみていいでしょう。