車のデザインを見たとき、「ココがいい!」というデザインのポイントがあるかと思いますが、逆に「ココがいや!」というポイントもあるのではないでしょうか。
以前、個人的に選ぶ自動車の嫌いなデザイン要素をトップ10ランキング形式にしてまとめましたが、あれから大分時が経ちましたので改めて更新したく思います。
もちろんこれは個人の意見ですので、是非ご自分の意見と比べながらご覧ください。
目次
⑩尻上がり
これはセダンやコンパクトカーに多く見られますが、流線的なデザインの結果、お尻にかけて徐々に上がったラインになっているものです。そうなるとお尻がボテっとして間延びしたデザインとなり見栄えが悪いです。
2019 シボレー ソニック
2019 タタ TIGOR
⑨リアドアハンドルのピラー設置
最近のクロスオーバーSUVに多いのがこのタイプのリアドアハンドルです。フロントは通常のハンドルですが、リアの2つをリアウインドウ横のCピラーに設置しています。デザインによるものが大半ですが、高さが中途半端なため開けづらく、荷物を持っている場合など腕を大きく挙げる必要が出てきます。ボディの曲面と相まって傷をつけてしまう可能性もあります。
使い勝手が悪くなっては意味がありません。スタイリッシュに見せるためかもしれませんが、逆に素直にリアドアがあると認めたがらないあざとさを感じてしまいます。
2016 Suzuki SWIFT
2016 Toyota C-HR
⑧フェイクエアインテーク
デザインは全て意味のあるものでなければなりません。エアロパーツも車の性能に大きく貢献するならばいいですが、ただの飾りではない方がましです。その中でも特にスポーツモデルに多いですが、メッシュ状のエアインテークと見せかけで実はただのプラスチックだったりすることがあります。
300万円以上するスポーツカーですら、フェイクのプラスチックパーツが取り付けられていることもしばしば。スポーティな見た目だかなんだか知りませんが、機能しないなら必要ないでしょう。
2020 トヨタ スープラ
2019 ホンダ シビック TYPE R
⑦フェイクエギゾースト
フェイクエアインテーク同様、偽物の排気口が取り付いているものです。本当のマフラーは細いものですが、バンパーと一体化させたエギゾーストホールを、あたかも排気口として見せているような車です。最近特に増えてきた印象。
全体的なデザインとしてはありかもしれませんが、やはり本物ではない以上チープさが文字通り見え隠れします。
2014 レクサス IS-F
2019 メルセデスベンツ Cクラス
⑥ボンネットライン
車のデザインは日々複雑化しており、特にフロント周りの造形はその極みと言えます。バンパー、ヘッドライト、グリルが一体化したような作りをした結果、ボンネットフードとの境目が目立っているものです。樹脂パーツの割合の多さに安っぽさすら感じます。
2019 メルセデスベンツ Aクラスセダン
2015 BMW F30
⑤Cピラーパネル
リアドア後方のピラーをCピラーと言いますが、そこからリアにかけての範囲をプラスチックのパネルで覆ったようなデザインです。一見すると流行りの「フローティングルーフ」のような「デザインを優先した感」を醸し出していますが、ガラスにしないことによる「コストカット感」は否めません。
2019 日産 デイズ ハイウェイスター
2019 アウディ Q2
④不自然サイドライン
流線的なデザインは流体力学に基づいたとされていますが、はたして全てが本当でしょうか。そうとは思えないようなラインがボディサイドにプレスされているのはいくら工学的な理由があったとしても、全体的なデザインを損ないかねません。
新車の時からボコボコぶつけたような見た目も考えものです。
2019 ホンダ フィット
2019 ラーダ X-Ray
③巨大グリル
車の巨大化に伴ってグリルもその存在感を増しています。大きなエンジンを搭載した高級車は、かねてより大きなグリルを構えることが多いですが、はたして本当にそこまで巨大なものが必要なのでしょうか?
2020 BMW 7シリーズ
2019 レクサス LS
②縦LED
LEDのデイライトが一般化してきたことで、各メーカー趣向を凝らした配置をしています。しかし縦に一筋というのはいかがなものでしょうか。全体的な流れには沿っていますが存在感がなんだか中途半端。なにより涙を流しているように見えますが、グレードによってはこの「涙」が樹脂パーツで覆われて文字通り「黒い涙」になってしまうのだとか。
2019 キャデラック CT6
2019 プジョー 508
①ライト切れ込み
ボディが流線形ですから、自然とヘッドライトもその流れに沿ってしまいます。結果的に指で目をつり上げたようなヘッドライトが出来上がります。それは百歩譲ったとして、そのライトをわざわざイビツに変形させるのは意味がわかりません。
テールライトもしかり、ボディラインに沿っていないような複雑な形をしたライトは見ていて不安になります。
2019 スバル フォレスター
2016 トヨタ プリウス
まとめ
以上、個人的な車の嫌いな要素を見て頂きました。
・尻上がり
・リアドアハンドルのピラー設置
・フェイクエギゾースト
・フェイクインテーク
・ボンネットライン
・Cピラーパネル
・不自然サイドライン
・巨大グリル
・縦LED
・ライト切れ込み
ちなみに前回は、釣り目ヘッドライト、巨大なフォグランプ周り、Bピラーの傾き、屋根ツートンがノミネートしていました。
どれもこれも最近の車の流行りと言われる要素だと思います。流行りを取り込んだ結果、似たような見た目の車が出来上がるわけです。かといって流行りを無視すると時代遅れとなりかねません。どこで折り合いをつけるかが難しいところだと思います。
最後に、ランキングで挙げた10個を全て盛り込んだ車をできる限りカッコよくイラスト化してみました。こんな車、あなたは買いたいですか?
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日々感じていた事が数多く断罪されていて、とてもスッキリしました。
まったくおっしゃる通りでデザインには理由が必要だと思います。
デザインの為のデザインはデザインではありません。
例えば、戦闘機を始めとする軍事兵器のデザインでは見た目の評価は持ち込まれず、要求仕様に由来する機能美の上澄みが結晶化されるだけです。
その事が、非人道的であるにも関わらず美しいと感じさせてしまう程の要素になっていると思うのです。
コメント有難うございます。
極端に言えば、意味があるデザインであれば多少ブサイクでも構わないのです。
しかしその機能を維持しつつ良く見せるのがデザインだと思っています。
Cd値やエンジン性能を競い合っていた頃の方が理にかなったデザインが多いですね。
成形技術が進歩したことで余計なことができるようになってしまったのが原因でしょうか・・・。