第45回東京モーターショーは終了しました。
気になるコンセプトカーが目白押しでしたが、実際に販売されるであろう車種には限りがあります。
そんな中、過去に発表されたコンセプトカーのうち、市販されたまたは市販車のモデルとなった車種をいくつかご紹介致します。
目次
トヨタ
Priusコンセプト -1995
1993年、トヨタ社内では「21世紀のクルマ」に関する議論の高まりを契機に、プリウスにつながる開発が動き始めました。同年、技術開発の推進体として「G21プロジェクト」が発足し、内山田竹志主査を中心に、21世紀をリードする画期的な燃費向上への取り組みがスタートました。
技術担当の和田明広副社長からは、「燃費2倍」という高い目標値がトップダウンによって示され、1994年夏、G21のコンセプトが承認されたものの、この時点ではハイブリッドは考慮されていませんでした。1995年秋のモーターショーにコンセプトカーを出すことになり、このモデルには燃費2倍達成の見通しが立つハイブリッドの採用を決定したのです。
しかし、モーターショー用の車両を開発し始めた1994年の秋から冬にかけて市販車もハイブリッドでいくという方針が決定され、同プロジェクトはエンジン改良主体ではなく、ハイブリッドシステムの採用へと転換していきました。その成果として、1995年秋には蓄電装置にキャパシタを採用した試作モデルが完成し、東京モーターショーに出品されました。
➔初代プリウス:1997年発売開始
MRSコンセプト -1997
1995年に MR-Sの原型となるMR-Jという4人乗りのコンセプトカーがモーターショーで発表されました。その2年後の1997年に発表されたのがこのMR-Sコンセプトです。1800ccミドシップ 2シーターのオープンカーであり、ほぼこのままの姿でMR-2の後継車としてデビューしました。
➔初代MR-S:1999年発売開始
Funtimeコンセプト -1997
1997年の東京モーターショーで参考出品されたコンセプトモデルの「ファンタイム」は、後にヴィッツ(ヤリス)としての1999年に発売されています。日本ではトヨタのボトムレンジを担うスターレットと、ターセル/コルサ/カローラ2三兄弟の後継車種としてデビューしました。
本格的に欧州市場を主戦場とするモデルとして開発されたヴィッツは、欧州車のような合理性と使い勝手の良さからたちまち人気となり、日本のコンパクトカーのレベルを底上げした一台となりました。
➔初代ヴィッツ:1999年発売開始
Funcargoコンセプト -1997
「ファンタイム」同様、1997年の東京モーターショーで参考出品されたコンセプトモデルの「ファンカーゴ」は、後にファンカーゴとしての1999年に発売されています。
➔ファンカーゴ:1999年発売開始
DMTコンセプト -2001
Dual Mode Traveler(デュアル・モード・トラベラー)、略してDMT。クルマという限られた空間のなかで考え得るライフスタイルを大胆に提案するコンセプトカーです。
「移動」は、より快適にドライブできる高いアイポイント、そして空を近く感じれる大開放のサンルーフ(ラメラルーフ)がゆったりとしたドライビングプレジャーを提供します。また、ミニバンスタイルならではの広々とした空間で「滞在」するということでは、趣味に没頭するもよし、誰にも邪魔されずにインターネットで世界中を行き来するもよし。自分だけのよりパーソナルなスペースを自由にコーディネイトできるよう、フラットで箱形に効率良く設計されています。
このデザインコンセプトは後のハイエース200系に活かされています。
➔5代目H200系ハイエース:2004年発売開始
トヨタNSLVコンセプト -2003
助手席側大開口ワイヤレス電動スライドドア、超低床フラット&ワイドフロアを特長とし、シンプルかつ機能的な新しいクルマのユーティリティを提案する新コンセプト2BOXです。
助手席側の大開口ワイヤレス電動スライドドアは、ユニバーサルデザインを念頭に、フロア地上高300mmの低床とするとともにロッカー段差をなくし、人はもとより、傘をさしたまま、あるいは手荷物を携えての乗り降りにも優れた乗降性を実現しています。フラットでワイドなフロアと多彩なシートアレンジにより、様々な使い方を可能とする居住性を確保し、エクステリアはソリッドで塊感のある低重心ボディとガラス面積の広いアーチ型キャビンにより、日常性を重視しつつ、近未来感を表現しています。インテリアは、ミニバンを凌ぐ1,400mmの室内高を確保し、2色のファブリックで室内全体を覆い、リビング感覚のモダンな室内を演出しています。
後のポルテとなるコンセプトカーです。
➔初代ポルテ:2004年発売開始
トヨタFCクルーザーコンセプト -2003
トヨタデザイン本部主幹 小川洋のデザイン。デザインを行うに当たって、アメリカでも人気のあったランクル40のイメージを踏襲したと語っています。
しかし、その単なる焼き直しでノスタルジックなレトロ調を意識して作ったわけではなく、現在の価値観でSUVを見直すというスタンスでした。
➔FJクルーザー:2006年(北米)、2010年(日本)発売開始