コピー大国中国。世界中の人気者をコピーしては量産し、粗利益を得る悪徳企業がのさばるこの国で、これまで多くの自動車メーカーが訴訟を展開してきました。
ここへきて大きなニュースが飛び込んで来ました。
グローバル自動車メーカー初
ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)は3月22日、中国の江鈴汽車を相手取って起こしていた「コピー車」を巡る裁判において勝訴した、と発表しました。
江鈴汽車は独自ブランドの「ランドウィンド」(陸風)を展開しており、ランドローバーの「レンジローバー・イヴォーク」に非常に良く似た「ランドウィンドX7」を生産し、中国で販売しています。レンジローバー・イヴォークの特徴であるクーペスタイルをはじめ、前後マスクやボンネットの文字の配置に至るまで、多くの点で類似性が認められるSUVです。
このコピー車について北京の裁判所は、レンジローバー・イヴォークの5つのデザイン上の特徴がランドウィンドX7と重なるとして、このランドウィンドX7をレンジローバー イヴォークのコピー車と認めました。
同裁判所は、「2つの車の類似性が幅広く消費者の混乱を招いた」とし、「ランドウィンドX7の生産と販売を、直ちに中止しなければならない」と結論づけました。裁判所はまた、江鈴汽車に対して、ジャガー・ランドローバーに賠償金を支払うよう求めています。
ジャガー・ランドローバーは、この判決を受けて「北京裁判所のこの決定を歓迎する。グローバルな自動車メーカーが、中国のコピー車メーカーに勝訴した初めてのケース」との声明を発表しています。
この程度のコピーなら、「全く似ていない」として突っぱねているところですが、今回はそうはいかなかったようですね。コピーした相手が悪かったのか、車両の生産・販売自体が出来なくなったうえに、賠償金まで支払うという最高の結果になりました。
しかし「2つの車の類似性が幅広く消費者の混乱を招いた」とはどういうことを言っているのでしょうか。まさかランドウインドをランドローバーと間違えるような人がいるとは思えませんが、一連の問題を含めての表現でしょうね・・・。
具体的にどういった理由で認められたのかが気になるところですが、いずれにせよ自動車業界におけるいいニュースです。中国政府も著作権には厳しく対応するような兆しを見せていますから、こういった裁判の結果がしばらく続いていくような気がします。
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