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【国内】ミニバン 売れ筋No.1とその謎

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SUVブームと並び人気のミニバン。

主にファミリー向けとして数多くのモデルが存在しますが、結局のところどのモデルが一番人気なのでしょうか?それを調べればファミリー向けとして最もふさわしいミニバンが見つかるはずです。

目次

ミニバンの定義

そもそもミニバンとはどういった形の車をいうのでしょうか。実は「ミニバン」という言葉自体、すごく曖昧なものです。

その名の通り「バン」の「ミニ」タイプということですが、いわゆるフルサイズのバンは、アメリカの商用バンのような巨大なものをいいます。これがファミリー向け等にコンパクト化したものをミニバンと呼ぶようになりました。

2008 フォード エコノライン Eシリーズ

しかし「フルサイズバン」が一般的でない日本においては、「ミニバン」の「ミニ」に「小さいバン」であることを表す意味はありません。

規格や技術的な定義は存在しないため、最近主流のスライドドアを持つ天井の高い軽自動車に対しても「ミニバン」ということができますが、そこは区別をするために「ハイトワゴン」や「トールワゴン」と言われています。

国内では日産自動車が1982年に発売した日産・プレーリー、三菱自動車工業が1983年に発売された三菱・シャリオの2車種が国内における「国産ミニバンのパイオニア」として呼ばれることが多いようです。

各社ラインナップ

そうして始まった国内のミニバン史ですが、2021年現在の国内自動車メーカー全10社において、ミニバンをラインナップしているメーカーはトヨタ、日産、ホンダ、三菱、スズキの5社です。

過去に販売していたメーカーもありますが、現在では以下のようなラインナップとなります(各メーカーHP”ミニバン”カテゴリー参照)

・トヨタ

アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、エスクァイア、
シエンタ、グランエース、ハイエースワゴン

・日産

エルグランド、セレナ、NV350キャラバン、NV200バネット

・ホンダ

オデッセイ、ステップワゴン、フリード

・三菱

デリカD:5

・スズキ

ランディ

※トヨタ・ルーミー、スズキ・ソリオ、三菱・デリカD:2、スバル・ジャスティ、ダイハツ・トールといった、スライドドアを装備した2列シート車は「コンパクトトールワゴン」に分類されるため除外

販売台数でみる

まずは最新の販売台数を見てみましょう。

一般法人日本自動車販売協会連合会が公開している2021年3月度の乗用車ブランド通称名別順位は以下になります。その中で上記のミニバンに印をつけてみました。

順位 車種名 メーカー 販売台数
1 ヤリス トヨタ 28,466
2 ルーミー トヨタ 16,504
3 アルファード トヨタ 13,986
4 ノート 日産 13,352
5 カローラ トヨタ 12,667
6 ライズ トヨタ 12,272
7 ハリアー トヨタ 10,428
8 ヴォクシー トヨタ 9,891
9 フリード ホンダ 9,764
10 フィット ホンダ 9,231
11 セレナ 日産 9,207
12 シエンタ トヨタ 8,682
13 プリウス トヨタ 6,721
14 ノア トヨタ 6,377
15 ソリオ スズキ 6,089
16 ステップワゴン ホンダ 5,995
17 RAV4 トヨタ 5,334
18 アクア トヨタ 5,304
19 レヴォーグ スバル 4,892
20 CX-5 マツダ 4,845
21 キックス 日産 4,801
22 MAZDA2 マツダ 4,457
23 ランドクルーザー トヨタ 4,395
24 パッソ トヨタ 4,186
25 CX-8 マツダ 4,073
26 インプレッサ スバル 4,009
27 CX-30 マツダ 3,895
28 フォレスター フォレスター 3,646
29 スイフト スズキ 3,459
30 MAZDA3 マツダ 3,122
31 C-HR トヨタ 3,023
32 デリカD:5 三菱 2,963
33 クラウン トヨタ 2,939
34 ロッキー ダイハツ 2,578
35 オデッセイ ホンダ 2,419
36 ジムニー スズキ 2,267
37 トール ダイハツ 2,167
38 シャトル ホンダ 2,041
39 エクストレイル 日産 2,041
40 クロスビー スズキ 1,977
41 エスクァイア トヨタ 1,794
42 ヴェゼル ホンダ 1,789
43 CX-3 マツダ 1,722
44 リーフ 日産 1,603
45 カムリ トヨタ 1,472
46 シビック ホンダ 1,464
47 エクリプスクロス 三菱 1,441
48 マーチ 日産 1,358
49 ヴェルファイア トヨタ 1,183
50 ハイエースワゴン トヨタ 1,052

出典:http://www.jada.or.jp

ミニバンのみを抽出すると以下のようになります。

順位 車種名 メーカー 販売台数
1 アルファード トヨタ 13,986
2 ヴォクシー トヨタ 9,891
3 フリード ホンダ 9,764
4 セレナ 日産 9,207
5 シエンタ トヨタ 8,682
6 ノア トヨタ 6,377
7 ステップワゴン ホンダ 5,995
8 デリカD:5 三菱 2,963
9 オデッセイ ホンダ 2,419
10 エスクァイア トヨタ 1,794
11 ヴェルファイア トヨタ 1,183
12 ハイエースワゴン トヨタ 1,052

アルファードの謎

高級ミニバンであるはずのトヨタ・アルファードが最も売れています。気になって調べてみると、2020年5月から継続してミニバンカテゴリーの販売台数でトップに位置しています。

とはいえ現行モデルの3代目は2015年の発売。新型でもなければ高価でサイズも大きいアルファードがなぜミニバントップの売れ行きを継続できているのでしょうか。

理由1:ディーラー販売体制の変化

最も大きな理由として、これまでトヨペット店の専売だったアルファードが、2020年5月1日に東京都を除く全ての地域での全車種併売化に伴い、トヨタ店、カローラ店(トヨタ西東京カローラを除く)、ネッツ店(ネッツトヨタ多摩・ネッツトヨタ東都を除く)での販売を開始したことが挙げられます。

それにより同じトヨタユーザーの中でもアルファードを買うことが可能になり、クラウンからアルファードへ乗り換えるといったユーザーが増えたと考えられます。

自販連のランキングとも時期がぴったり合います。

理由2:意外に低価格

一言にアルファードといっても様々なグレードが用意されています。どのグレードかによって当然価格も大きく変わってきます。

現在のグレード展開と価格は以下になります。

グレード 価格
ガソリン 2WD 4WD
S“TYPE GOLDⅡ” 4,240,000 4,495,000
Executive Lounge 7,269,000 7,466,000
Executive Lounge S 7,421,000 7,619,000
GF 5,202,600 5,400,600
X 3,597,000 3,851,000
SC 5,277,600 5,474,600
S”Cパッケージ” 4,681,600 4,935,600
S(7人乗り) 3,985,000 4,240,000
S(8人乗り) 3,941,000 4,196,000
グレード 価格
ハイブリッド 4WD
HYBRID S“TYPE GOLDⅡ” 5,088,400
HYBRID Executive Lounge 7,599,000
HYBRID Executive Lounge S 7,752,000
HYBRID G”Fパッケージ” 5,573,000
HYBRID X(7人乗り) 4,656,000
HYBRID X(8人乗り) 4,613,000
HYBRID SR”Cパッケージ” 5,720,000

最も高価な4WDのハイブリッドモデル「HYBRID Executive Lounge S」は\7,752,000と高額ですが、最も安価な2WDのガソリンモデル「X」は\3,597,000と意外に低価格であると分かります。

アルファードの購入者が皆リッチというわけではないはずです。グレード別の販売台数に関わる情報はありませんが、売れ筋のグレードであればあるほど中古車市場に出回る玉も多いはず。ということで中古車検索サイトで上記グレードごとに在庫台数を調べてみました。

出典:カーセンサー(2021年記事作成時点)
年式:2015(H27)/在庫3,035台(内現行グレード2,442台)

グレード 価格 中古車台数 価格 中古車台数
ガソリン 2WD 4WD
S“TYPE GOLDⅡ” 4,240,000 228 4,495,000 14
Executive Lounge 7,269,000 39 7,466,000 8
Executive Lounge S 7,421,000 24 7,619,000 4
GF 5,202,600 20 5,400,600 5
X 3,597,000 252 3,851,000 45
SC 5,277,600 37 5,474,600 5
S”Cパッケージ” 4,681,600 1080 4,935,600 40
S(7人乗り) 3,985,000 269 4,240,000 11
S(8人乗り) 3,941,000 76 4,196,000 9
グレード 価格 中古車台数
ハイブリッド 4WD
HYBRID S“TYPE GOLDⅡ” 5,088,400 8
HYBRID Executive Lounge 7,599,000 49
HYBRID Executive Lounge S 7,752,000 37
HYBRID G”Fパッケージ” 5,573,000 31
HYBRID X(7人乗り) 4,656,000 41
HYBRID X(8人乗り) 4,613,000 25
HYBRID SR”Cパッケージ” 5,720,000 85

中古車として売られてるアルファードで最も多いのは2WDのガソリンモデルであると分かります。

中でも「S”Cパッケージ”」が1080台。次いで7人乗りの「S」が269台。「S”TYPE GOLD”」が228台と、新車で390万円~430万円程度のグレードが多いと分かります。

あまり街で見かけない三菱・デリカD:5の場合、最も安いグレードでも3,913,800円ですから、アルファードだけ特別高いというわけではないのです。

アルファード一強時代

ということで、一番人気のミニバンはトヨタ・アルファードであり、そこにはトヨタの販売戦略と幅広いユーザー層に訴求できるグレード展開が大きく関係していました。

高級ミニバンの元祖であった日産・エルグランドは、販売台数上位50モデルにさえ顔を見せていません。現行モデルである3代目は2010年の発売。2020年10月12日にマイナーチェンジが実施されていますが、最後に現れたのは2019年12月の588台(50位)です。ここまで陥落してしまうとアルファードを上回るどころか上位に返り咲くことも難しいのではないでしょうか。

アルファードは高級ミニバンでありながら、低価格なグレードを含め多くの選択肢をユーザーに与えています。こうしたトヨタだからこそできる展開術に敵う術は他メーカーにはありません。

他メーカーとしては拡大戦略をとるのではなく、今のユーザーが何故数あるミニバンの中からその車を選択したかを分析し、そのユーザーの思いを大切にした進化を続けることが求められます。アルファードは高級ミニバンとしてのコンセプト・地位を確立させることに成功しています。EV化、AI化がますます進んでいくなかで、その流れに乗ったうえで「らしさ」を光らせることができれば、アルファード一強時代のなかで今後も生き残ることができるはずです。

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