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【国内】マイナーコンパクト対決「バレーノ vs ミラージュ」

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近年のSUV人気の陰で、若干押され気味なのがコンパクトカー市場。

しかし各社ラインナップに必ず存在し、グローバル展開を前提として力を入れて開発を続けています。しかしいまいちパッとせず存在感の薄いモデルがいるのも事実です。

そこで、個人的に選ぶマイナーコンパクトカーである「スズキ・バレーノ」と「三菱・ミラージュ」を比較してみたいと思います。

目次

バックグラウンド

この2車種はどちらもコンパクトカーですが、バレーノは3ナンバーミラージュは5ナンバーという違いがあります。

スズキ・バレーノ

初代である現行モデルは2016年の発売。

三菱・ミラージュ

初代は1978年の発売。6代目である現行モデルは2012年の発売。2015年12月マイナーチェンジにより現在のデザインに至る。

外観

まずは外観から比較してみます。

バレーノ 「洗練は、大人の誇り。」

【カラーバリエーション:6色】

ミラージュ 「当たり前のすべてを磨き上げた。」

【カラーバリエーション:8色】

この2台に共通するのが、どちらも海外生産だということです。

バレーノはインドの現地法人である「マルチ・スズキ・インディア」のマネサール工場で行われ、同様にミラージュもタイの現地法人「ミツビシ・モーターズ・タイランド」のラムチャバン工場にて生産されています。どちらも日本を含む全世界向けに生産・供給されています。

海外からの逆輸入にはともにコストの面で大きな理由があり、部品の現地調達や工場の生産レベルなどを考慮して決定されています。

しかしその印象はやはり一概にいいとは言えません。国産というブランド力が使えないことに加え、現地をベースにしたシンプルなデザインであり、古臭く見えてしまうことがネックとなっている印象です。

内装

バレーノ

ミラージュ

バレーノのインパネは左右対称な滑らかな造形が特徴で、スポーティなデザインとなっています。

メーターには高精細・大型のカラードット液晶ディスプレイを採用し、様々な走行関連情報やエンジンの情報などを表示できます。また燃費効率がよい運転状態になれば、メーターの照明がブルーからグリーンに変化するなど、細かな演出がなされています。

ミラージュのインパネは操作系が一か所にまとめるなど、無駄のないシンプルなデザインが特徴です。

メーターにはメッキ加飾があしらわれスポーティな印象ですが、液晶ディスプレイなどは搭載されておらず、シンプルなデザインとなっています。

スペック

サイズ

バレーノ ミラージュ
FF FF
全長(mm) 3,995 3,795
全幅(mm) 1,745 1,665
全高(mm) 1,175 1,505
ホイールベース 2,520 2,450

全長はバレーノの方が200mm長く、幅バレーノの方が80mm長いですが、全高はミラージュの方が330mmも高くできています。どちらもFFのみのラインナップです。

最小回転半径はアリオン「4.9m」、ミラージュ「4.6m」と、ホイールベースの差がそのまま表れています。

※5ナンバー車(小型乗用車)
・排気量:2000cc以下
・全長:4700mm以下
・全幅:1700mm以下
・全高:2000mm以下

上記5ナンバー項目を1つでも上回ると3ナンバー車(普通乗用車)となります。

エンジン

バレーノ:2種

・水冷4サイクル直列3気筒直噴ターボ DOHC12バルブVVT (XT)

1.0Lながら直噴化とターボ化により、1.5L自然吸気エンジン並みの高出力・高トルクを実現。さらに低燃費・低排出ガスも両立したブースタージェット エンジン。

・水冷4サイクル直列4気筒 DOHC16バルブ吸排気VVT (XS)

高圧縮比化とフリクション低減により熱効率を追求。優れた燃費性能と力強い走りを高次元で両立させた、1.2Lデュアルジェット エンジン

ミラージュ:1種

・DOHC 12バルブ 3気筒 1.2L MIVECエンジン (G/M)

運転状況に応じた最適なバルブタイミングに制御するMIVEC。
力強く、キビキビとした軽快な走りを実現。高速走行や長距離ドライブで、走る歓びを実感できます。

燃費

燃費(km/L) バレーノ ミラージュ
2WD(XT) 2WD(XS)  2WD(G/M)
6AT CVT CVT
JC08モード [国土交通省審査値] 19.6 24.6  23.8
WLTC[国土交通省審査値]
市街地モード
郊外モード
高速道路モード

いずれもWLTCでのカタログ値がありません。

ターボ仕様で6ATのバレーノXTグレードを除き、標準的な低燃費を達成しています。

【新車】燃費の基準が変わるって、一体いつから?

走行性能

いずれも2WD(FF)のみのラインナップであり、走行性能を向上させるようなシステムは搭載されていませんが、走りに関する部分を比較してみました。

バレーノ 【6速マニュアルモード付パドルシフト】

XTグレードにのみ、6速マニュアルモード付パドルシフトが搭載されています。操作することで、素早いシフトアップ/ダウンが可能です。

ミラージュ 【減速エネルギー回生システム】

減速時のエネルギーで発電した電気をバッテリーに集中充電。アイドリングや走行中に、蓄えた充電分を消費するまで発電を抑制。その間、充電機を駆動するためのエンジン負担を軽減し、ガソリンのムダを抑えます。

先進安全装備

最近の自動車には当たり前の先進安全装備を比べてみましょう。一番良い装備のグレードを比較しています。

<バレーノの先進安全装備〔全車標準装備〕>【サポカー】

  • レーダーブレーキサポートⅡ
  • アダプティブクルーズコントロール

バレーノはいわゆる自動ブレーキ(対車両)が装備されているので、セーフティ・サポートカーに該当しています。「サポカー」はの自動ブレーキ(対車両)が搭載されていれば該当するので、最低限の装備と言えます。

<ミラージュの先進安全装備〔全車標準装備〕>【サポカーSベーシック】

  • 低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM-City]
  • 誤発進抑制機能(前進時)
  • アクティブスタビリティコントロール

ミラージュはいわゆる自動ブレーキ(対車両)に加え、誤発進抑制機構が装備されており、セーフティ・サポートカーS ベーシックに該当しています。

出典:JAMA 一般社団法人 日本自動車工業会

価格

バレーノ

グレード 駆動方式 メーカー希望小売価格(消費税込)
XT 2WD \1,760,000
XS 2WD \1,573,000

ミラージュ

グレード 駆動方式 メーカー希望小売価格(消費税込)
G 2WD \1,514,700
M 2WD \1,408,000

ともに2グレード展開でバラエティーは限られていますが、バレーノの方が少々高く設定されています。安全装備的に考えればミラージュはかなりお得だと言えます。内装などの好みで選ぶのがベストでしょう。

結論

今回比較したバレーノ、ミラージュは、ともに逆輸入ということもあり、コストを最優先した最低限の装備であると分かりました。

バレーノはエンジンを2種類用意し、走りに選択肢を与えているのが意外な点でした。ミラージュはシンプルながらも安全装備をしっかりと盛り込んでいるところに好感が持てます。しかしなぜこれほどまでに存在感を示せずにいるのでしょうか。

これは個人の考えにほかなりませんが、先述したようにともに逆輸入車であり、車にこれといった「こだわり」が感じられないことが大きいと考えます。ともにコストを重視した世界戦略車ですが、新興国を中心にした世界なのだと考えれば、我々から見ればやはり物足りないのも合点がいきます。

バレーノの場合、スズキのコンパクトカーには他にもスイフト、イグニスが存在しており、両者がそれなりに存在感を持っているため、インドからちょこっと持ってきているだけのバレーノにそこまで重きを置いていないのも事実でしょう。「スイフトよりも少し大きめの車」となればSUVクラスにした方が合理的で、ラインナップにいる意味が感じられない車となってしまっています。

一方のミラージュですが、OEMやEVを除き三菱唯一のコンパクトカーとなっています。安全装備は最低限+αが搭載されていますが、マイナーチェンジ前のチープな印象が払拭できていないといったところでしょう。しかし2019年11月18日、三菱はミラージュにダイナミックシールドを用いた新たなデザインにマイナーチェンジを実施しました。現行モデルと比較して、どのような反応になるかが気になるところです。

【三菱】新型ミラージュが公開!ダイナミックシールドでよりシャープに

もちろん個人の意見ですが、皆さんはこの2台ではどちらを選びますか?

出典:https://www.suzuki.co.jp, https://www.mitsubishi-motors.co.jp

<関連記事>

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