日産が「電気自動車の新しい形」と謳うe-power。
そのシステムを搭載した新型SUV「キックスe-power」が発売されるようですが、これまでe-powerの販売がなかったアメリカでは、給油して発電するEVという仕組みに違和感を感じるようです。
キックスe-powerは燃料でチャージするEV
(和約)
EVを定義するものは何で動いているかです。電気モーターであれば、それはEVです。バッテリーからの力によって駆動しますが、水素による燃料電池も例に挙げられます。シボレーボルトはEVボルテックシステムが内燃エンジンに頼っていないことからもEVだと言えます。三菱アウトランダーPHEVも同じです。しかしプラグをさして充電しない車をEVと言うことができますか?言い方を変えれば、燃料の給油によってチャージするということです。これが3月19日にタイで公開が予定されている日産キックスe-powerが世間に問いかけているものです。
我々は日本で日産やその顧客がどのようにe-powerの車を扱っているか知りませんが、真実として日産のe-powerはキックスをもってグローバルに拡大されることになるでしょう。この車は2016年7月にブラジルで公開されて以来、大きな成功を収めています。最初のモデルチェンジを受け、e-powerの技術が搭載されるでしょう。
▶Nissan e-POWER technology explained – Nissan
もしe-powerシステムが何か分からないなら、上の映像が詳細を説明してくれます。2つの点を除き、Obristパワートレイン社が実験車「Obrist MarkⅡ」に搭載したものと大体同じアイデアです。
1つ目は、ObristがHyperHybridテクノロジーのライセンスを取得し”少なくとも巨大なプレーヤーの一つ”として2023年か2024年に量産開始予定である一方で、日産はすでに車両を販売していることです。
2つ目は、日産はコストの点から1.2リットル3気筒エンジンを発電用として採用していますが、Obristはコンセプトとして完全に新作の無振動、低燃費エンジンを製作しています。
※ObristのHyperHybridシステムは、燃料タンク、発電機、バッテリーを搭載しており、e-powerに近いものがありますが、こちらはプラグによる充電も可能です。しかしエンジンは搭載されておらずエンジンで直結させ車輪を回すことはありません。
日産はキックスe-powerをタイやアジアのみだけでなく、ラテンアメリカにも賭けています。この車は現在ブラジル生産ですが、2021年にフレックスフューエルエンジンを搭載し発売されるとしています。
言い方を変えれば、再利用可能な燃料を燃焼させ、二酸化炭素を排出することなく電気を得ることができるということです。プラグインハイブリッドを批判する大きな理由もこれで解決します。Obristエンジンも再利用可能な燃料を同様に使用することができますが、微調整が行われるでしょう。
キックスは$18,870~$21,120(約203万円~228万円※1)でここアメリカで販売されると考えると、e-powerはすぐに最も手が届くEVになるでしょう。
リーフよりも小さなバッテリーパックを搭載し、ガソリンエンジンモデルに比べてe-powerは価格が17%上乗せされます。そうなればキックスe-powerは$22,077~$23,710(約238万円~256万円※1)という高価なものになるでしょう。もし連邦税額控除がキックスe-powerにも適応されるとすれば、$14,577(約157万円※1)までに価格は下がるでしょう。※1:記事投稿時点
これがキックスe-powerでお金を節約する唯一の方法ではありません。ノートe-powerの燃費は87.5mpg(2.69L/100km)です。最新のインフラを考えると、このバイクのような燃料消費量は排出ガスの低減をより可能にします。
日産の車は免税の対象ですが、キックスe-powerで急速に使い果たしてくれるでしょうか?E85が利用可能な州向けにフレックス燃料機能付きで販売するのでしょうか?それ以上に、EVの利用者はプラグで充電する代わりにタンクを燃料で満たすことを快適に感じるのでしょうか?おそらく、違います。しかしe-powerはチャージ方法がどうであれ、EVが未来であると多くの人々を納得させるのに役立ちます。貧しい国や燃料価格が高いところでなら特に。
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日産はキックス使ってe-powerの海外展開を本格的に行うようです。
当然日本での発売も予定されており期待できますが、このe-powerシステムが世界にどう判断されるかも気になるところです。
この記事からは「EVなのに燃料をいれるのかよ」的なニュアンスも感じ取れますが、正直アメリカのような長距離移動が主な使い方をする国では、このe-powerはうけないと考えられます。
それはe-powerだけでなくEV全体に言えることですが、高速長距離走行が苦手という点です。モーターの特性上、ある程度惰性で動くことのできるエンジン車と違い、常に力を与え続けないと勝手に減速してしまいます。そういったことからも電気の消費量が多くなってしまい、この場合より多くの発電が必要となります。
燃費はともかく、ガソリンスタンドでこれまでの車通りに給油できるという安心感もあります。物珍しさである程度売れるとは思いますが、乗り換える際にまたe-powerを選ぶかどうかが、本当の分かれ目だと思います。