2023年10月26日から11月5日にかけて開催された「ジャパンモビリティショー2023」に行ってきました。
コロナも一通り落ち着いた中での開催となり、非常に多くの人で賑わっておりました。
本記事ではイベントの雰囲気を中心に、現地の写真を踏まえて気になったものをご紹介いたします。
目次
はじめに
JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)は、モビリティ産業に関する最新の技術やデザインについての情報を紹介する日本自動車工業会(JAMA)主催の見本市です。
従来の「東京モーターショー」から「ジャパンモビリティショー」へと名前を新たにし「乗りたい未来を、探しに行こう!」をテーマに、自動車業界の枠を越えて475企業・団体が出展しました。
2019年に開催された「第46回東京モーターショー」以来4年ぶりの開催となりました。
https://www.japan-mobility-show.com/
気になったモデル
日産
ニッサンハイパーフォース
日産は「ハイパー」というコンセプトで5台のコンセプトカーを制作しておりました。そのなかで未来のGTRとも言えるコンセプトカーがこのハイパーフォースです。どことなく昔のスカイラインの面影も感じるようなデザインをしています。
ニッサンハイパーパンク
展示車の後ろには巨大なスクリーンが設置されており、キャラクターが動いていました。画像では分かりにくいですが、ダイヤモンドのようなオブジェクトが映し出されており、会場内のブースで体を動かすとその動作が反映されるようなアトラクションが設けられていました。
市販車の展示も豊富でしたがコンセプトカーは現実味がなく、あまりピンときませんでした。
三菱
D:Xコンセプト
未来のデリカをイメージしたコンセプトカー。本格的な悪路走破性に加え、PHEVを採用することで環境性能も両立しています。パジェロ無き今、三菱を代表するモデルとなったデリカですが、現行モデルは2006年のデビューということもあり新型の登場が待ち望まれています。まだまだコンセプトの域を出ていませんが、次期型の開発は進んでいることにひとまず安心していいでしょう。
トライトン
日本でも発売が決定したピックアップトラックが初展示。電動車ではなくディーゼルターボエンジンという勇ましさが魅力の一台です。日本国内ではトヨタ・ハイラックスしか選択肢がありませんが、そこに選択肢が加わることになります。価格は約500万円からとハイラックスと比べても高価格ですが、それに見合った作り込みを感じました。
デリカミニの人気キャラクター「デリ丸。」は、デリカミニのルーフラックに鎮座しちょっとした写真スポットとなっていました。
上手く活用していた
スズキ
スイフトコンセプト
スズキを代表するコンパクトカーのスイフトがまもなくフルモデルチェンジします。現行モデルよりもまとまりのあるデザインでスポーティかつオシャレな雰囲気が漂います。スイフトといえばスポーツモデルの「スイフトスポーツ」も人気ですが、今回の展示はありませんでした。今後電動化が進む中で、MTが用意されるのか注目です。
テールライトは独特
ホンダ
プレリュードコンセプト
事前に見た画像ではトヨタ・プリウスに似ているのではと感じましたが、実際に見てみるとボディサイズやスタイリングが全く異なっており、素直にカッコいいという印象です。
市販化前提のコンセプトカーということですが、パワートレイン等の詳細は不明です。しかし電動化時代への”先駆け”という意味合いですので、電動車であることは間違いないでしょう。本来ならばガソリンエンジンのMTで出してくれた方が話題性も販売の面でもいいと思うのですが、もどかしいところです。
サステナ・シー コンセプト
1981年に登場した「シティ」をモチーフにしたEV。サステナという名の通りサスティナブルな素材を採用し、ボディパネルは100%リサイクルできるアクリル樹脂でできています。
ホンダのブースは巨大でしたが、触れないコンセプトカーや小型の電動車のようなコンセプトモデルばかりで、乗り込めるような市販車は何と一台もありませんでした。モビリティショーということもあり、ホンダジェットのレプリカやジェットエンジン、巨大ドローンのようなものが置いてありましたが、正直面白さに欠けました。
謎に何もないスペース
ダイハツ
ビジョンコペン
今なお人気の軽オープンカー「コペン」のDNAを引き継ぐコンセプトモデル。初代コペンのような可愛らしいスタイルに電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を継承しています。しかしボディは大型化しFR駆動という代物です。
内装も作り込まれています。トヨタとの関係性もあり、FRのプラットフォームを使用し軽自動車の枠を出て、コペンブランドをマツダ・ロードスターのような長年愛されるモデルへと生まれ変わらせようとしているのかもしれません。
トヨタ
クラウンセダン
クラウンシリーズのセダンタイプとなる新型クラウンセダン。駆動方式はしっかり後輪駆動とし、パワートレインはFCEV(燃料電池)とHEV(ハイブリッド)の2種類が用意されます。
ボディサイズやクーペタイプのデザインからは、クラウンというよりレクサス味を感じます。セダンといってもほぼファストバックのような形状となっており、せっかくならもっと四角く作ってくれればよかったのにと思います。価格はFCEVの「Z」が830万円、HEVの「Z」が730万円。
いずれパトカーになるのだろうか
トヨタはコンセプトカーの台数が他のメーカーと比べても段違いで、さすが日本を代表するメーカーだと感じました。
マツダ
アイコニックSP
マツダデザインが目を引くスポーツコンセプト。今回のモビリティショーの中で一番の人気といってもいいでしょう。流麗なフォルムにリトラクタブルヘッドライト、バタフライドアという往年のスポーツカーを彷彿とさせるデザインに終始多くの人だかりができていました。
他メーカーのコンセプトカーと比べても現実味のあるデザインや細部への作り込みから、多くの人をワクワクさせたことは間違いないでしょう。
常にこの状態であった
また、ブース内で展示されていた市販車はロードスターのみでした。発売から年月の経つモデルですが、これまた多くの人で賑わっていました。モビリティという言葉を無理に考えるのではなく、マツダとしての明確なテーマを感じました。
スバル
スバルスポーツモビリティコンセプト
SUBARU SPORT価値の進化を予感させるEVのコンセプト。いわゆるスバルが考えるEVスポーツカーということで、見た目以外に特筆すべきことは何もありません。
後ろに浮かぶ巨大なドローンは「SUBARU AIR MOBILITY Concept」という、スバルが目指す「より自由な移動」の未来を示したコンセプトモデルです。
インプレッサやWRXの後継というわけでもなく、いきなり出てきたコンセプトでイマイチよく分かりませんでした。個人的には一番存在感の薄いコンセプトカーだったと思います。
AFEELA
アフィーラプロトタイプ
ホンダとソニーがコラボレーションしてできた「ソニー・ホンダモビリティ株式会社」のブランド「AFEELA」。そのアフィーラプロトタイプが日本初展示です。
ホンダとソニーがコラボして一体どういう仕上がりなのか気になるところですが、車を外から見る限りは、フロントとリアのディスプレイに映像が映し出される以外はこれといった優位性を感じることはありませんでした。日本においてはテスラがライバルになると思いますが、個人的にはテスラよりもデザインは好みです。
2025年前半に先行受注を開始し同年中に発売を予定。デリバリーは2026年春に北米から開始する計画とのことです。
待ち時間30分以上の行列
感想
コロナの感染者数もある程度落ち着き、これまで以上に多くのギャラリーで賑わっていました。
各自動車メーカーにおけるコンセプトカーの出展も多く、4年ぶりとなる開催にどこもやる気を感じました。そしてお客さんの数も非常に多く、関心度の高さが伺えました。
やはりどこもEVやPHEVといった電動車の展示が多く、ステージ上にあるコンセプトカーでガソリン単体というものはほとんど皆無でした。一方で未だにEVが本格的に普及していない現状が、コンセプトカーへ現実味を感じない要因ともなっているように感じました。
マツダのアイコニックSPの場合ではロータリーのPHEVを想定しています。同様の仕組みがMX-30に搭載され既に販売されていますが、ロータリーエンジンの市販化を求める声ばかりで、このシステムが受け入れられているとは言えません。
それだけ日本における内燃機関への信頼は圧倒的であり、ある意味で電動化への障壁となっていると考えられます。やはり充電時間や航続距離、価格というデメリットを解消しない限り国民の信頼は得られず、この国でのEV化は不可能であると改めて思いました。
コロナで東京モーターショーが中止となる中で、各社「東京オートサロン」への出展に力を入れるようになりました。今後は2年に1回ではありますがモビリティショーが開催されるとなれば、オートサロンとのバランスも気になるところです。
ひさびさの大きなイベントを楽しめました。