以前各メーカーの最も安いコンパクトカー(低グレード)を比較した際に、価格の比較も行っておりました。
しかし時が経ち、フルモデルチェンジしているモデルなどもありその価格には大きな変化があります。
目次
対象
日本国内の乗用車メーカーは全部でトヨタ自動車、ダイハツ工業、日産自動車、本田技研工業、マツダ、スバル、三菱自動車工業、スズキ、光岡自動車の9社が主にあげられます。
今回はこのなかで光岡を除いた8社の、「コンパクトカー」と呼ばれるジャンルにおいて、最も安い車種を比べます。ちなみにここで言うもっとも安いとは、各社ラインナップのコンパクトカーのうち、販売価格が最も低いものを対象とします。(自然と最もグレードが低いものになります)
※メーカーサイトのカテゴリーを主に参照
2021.11.27時点
トヨタ
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
アクア | ¥1,785,240~ | \1,980,000~ | \194,760 |
ヴィッツ | ¥1,181,520~ | \1,395,000~ (ヤリス) | \213,480 |
カローラスポーツ | ¥2,106,000~ | \2,169,000~ | \63,000 |
スペイド | ¥1,828,440~ | 廃止 | – |
タンク | ¥1,463,400~ | 廃止 | – |
パッソ | ¥1,177,200~ | \1,265,000~ | \87,800 |
ポルテ | ¥1,828,440~ | 廃止 | – |
ルーミー | ¥1,463,400~ | \1,556,500~ | \93,100 |
GRヤリス | なし | \2,650,000~ | – |
ダイハツ
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
ブーン | ¥1,177,200~ | \1,265,000~ | \87,800 |
トール | ¥1,463,400~ | \1,556,500~ | \93,100 |
日産
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
ジューク | ¥1,975,320~ | 廃止 | – |
ノート | ¥1,421,280~ | \2,029,500 | \608,220 |
ノート メダリスト |
¥1,734,480~ | 廃止 | – |
キューブ | ¥1,620,000~ | 廃止 | – |
マーチ | ¥1,151,280~ | \1,289,200~ | \137,920 |
ホンダ
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
シャトル | ¥1,770,120~ | \1,808,400~ | \38,280 |
フィット | ¥1,428,840~ | \1,557,600~ | \128,760 |
e | なし | \4510,000~ | – |
マツダ
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
デミオ | ¥1,393,200~ | \1,459,150 (マツダ2) | \65,950 |
スバル
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
ジャスティ | ¥1,528,200~ | \1,964,600~ | \436,400 |
三菱
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
デリカD:2 | ¥1,821,960~ | \1,883,200~ | \61,240 |
デリカD:2 カスタム |
¥2,074,680~ | \2,141,700~ | \67,020 |
ミラージュ | ¥1,380,240~ | \1,432,200~ | \51,960 |
i-MiEV | \2,948,400~ | 廃止 | – |
スズキ
2018年 | 2021年 | 価格差 | |
スイフト | ¥1,343,520~ | \1,377,200~ | \33,680 |
ソリオ | ¥1,459,080~ | 1,515,890~ |
\56,810 |
ソリオ バンディット |
¥1,944,000~ | \2,006,400~ | \62,400 |
バレーノ | ¥1,544,400~ | 廃止 | – |
イグニス | ¥1,382,400~ | \1,501,500~ | \119,100 |
価格上昇 TOP5
1 | 日産 | ノート | \608,220 |
2 | スバル | ジャスティ | \436,400 |
3 | トヨタ | ヴィッツ(ヤリス) | \213,480 |
4 | トヨタ | アクア | \194,760 |
5 | 日産 | マーチ | \137,920 |
日産・ノートは2020年12月23日にフルモデルチェンジが実施され3代目に移行していますが、この際e-powerのみの仕様となったことで価格帯が大きく上昇しています。
スバル・ジャスティは2020年9月24日にOEM元のダイハツ・トールにマイナーチェンジが実施されています。その際ラインナップを整理し、トールの「カスタムG」に相当するカスタムスタイルのみの1グレード展開となったことが価格が大きく上昇した理由です。
トヨタ・ヴィッツは2020年2月10日にフルモデルチェンジされ、4代目に移行しています。あわせて車名が日本国内・国外ともに「ヤリス」に統一されました。
トヨタ・アクアも2021年7月19日にフルモデルチェンジされ、2代目に移行しています。
日産・マーチは2010年に販売を開始した4代目が以前生産されていますが、2020年7月にマイナーチェンジが行われ「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」「踏み間違い衝突防止アシスト」「ハイビームアシスト」「LDW(車線逸脱警報)」等の先進安全技術が全車標準装備となったことが理由と考えられます。
価格上昇 WORST5
1 | スズキ | スイフト | \33,680 |
2 | ホンダ | シャトル | \38,280 |
3 | 三菱 | ミラージュ | \51,910 |
4 | スズキ | ソリオ | \56,810 |
5 | 三菱 | デリカD:2 | \61,240 |
スズキ・スイフトは2020年5月15日に一部仕様変更が実施され、リヤパーキングセンサー、標識認識機能、車線逸脱抑制機能が標準装備される等、安全装備が搭載されています。
ホンダ・シャトルは2019年5月10日にマイナーモデルチェンジが実施され、外観デザインの変更および安全装備が拡充されています。
三菱・ミラージュは2020年4月16日に2度目のマイナーチェンジが実施され、外観デザインの変更および衝突被害軽減ブレーキシステムの改良、歩行者検知機能を追加する等、安全装備が拡充されています。
スズキ・ソリオは2020年12月4日にフルモデルチェンジが実施され、4代目に移行していますが、その割に価格は抑えている印象です。OEM先となる三菱・デリカD:2も同様です。
まとめ
3年という短い期間ですが、フルモデルチェンジやマイナーチェンジにより価格が大きく上昇しています。価格上昇の理由としては先進安全装備の搭載によるものが大きく、さらに日産・ノートのように電動化することにより価格はもっと上がると考えられます。
一方で価格の上昇が小さかったモデルは、やはり小規模な変更のみとなっています。それでも外観デザインの変更や安全装備を充実させるなど、地道なテコ入れが行われていると分かります。
エネルギー問題や満たすべき安全基準の影響が大きくなるにつれ、車の価格がずいぶんと上昇しています。100年に1度と言われる電動化の波は本格的な大波になっており、自動車というもののあり方すら変わりつつある昨今はまさに過渡期と言えます。
価格の上昇は同時に人々をふるいにかけています。どういう車に乗ることができるのか。その車にふさわしい身分なのか。将来的には最も安い軽自動車が300万円かもしれません。その時に、何とか買える人なのか。はたまたそんな時代でも1000万円の車が買える人なのか。カーライフが大きく変わろうとしています。