スズキは10月25日に開幕する第45回東京モーターショーに出展する車両をの概要を発表しました。その中には、かねてから噂されていた「ハスラー1000cc」のほぼ市販版も含まれています。
本記事ではその実態をできる限り見ていきたいと思います。
目次
スズキ クロスビー(XBEE)
出展:suzuki.co.jp
取り回しのよいコンパクトサイズでありながら、ラフロードに対するSUVの走破性、機能性を両立した新ジャンルの「小型クロスオーバーワゴン」の提案となっており、ほぼ販売できる完成度での公開となります。
情報によると、搭載するパワートレーンは、1.0L直噴ターボ・ブースタージェット(K10C型)+マイルドハイブリッドとなるようです。FFベースの2WDとスタンバイ方式の4WDを設定し、4WDにはスノーやマッドなど多彩な走行モードを装備するようです。「スズキ セーフティ サポート」も装備されます。
またシリーズの違いとして、大人のアウトドアをイメージした落ち着いた雰囲気のXBEE OUTDOOR ADVENTURE(クロスビー アウトドアアドベンチャー)、都会での使用を想定した個性的でお洒落なXBEE STREET ADVENTURE(クロスビー ストリートアドベンチャー)も公開予定です。
ハスラーとどう違う?
XBEEはハスラーの1000ccバージョンと言われていますが、さっそく見た目を比べてみましょう。
フロント
ハスラー フロント
XBEE フロント
リア
ハスラー リア
XBEE リア
本当に一回り大きくしただけのように感じますね。デザインは大きく変わらず、コンセプトはそのままに大型化したようです。それだけハスラーの個性が市場において唯一無二の存在なのだと分かります。
情報によるとXBEEのボディサイズは全長3,760×全幅1,670×全高1,705、ホイールベースが2,435mmとなっています。軽自動車のハスラーと比較すると以下のようになります。
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
ハスラー | 3,395mm | 1,475mm | 1,665mm | 2,425mm |
XBEE | 3,760mm | 1,670mm | 1,705mm | 2,435mm |
差 | 365mmUP | 195mmUP | 40mmUP | 10mmUP |
どでかくなりすぎず、コンパクトにまとまっている印象です。ホイールベースも軽自動車のハスラーと比べてわずか1cm大きくなっただけで、軽自動車の取り回しのよさをそのままにしています。
ちなみに自分も公開前に予想イメージを出していました。
これでも「ハスラー意識しすぎかな・・・」と思っていましたが、間違ってはいなかったですね(笑)。個人的にこれは来るだろうと思っていたCピラーの感じは的中しました。的中度80%というところでしょうか。
インテリア
インテリアの画像も公開されています。
ハスラー
XBEE(写真はアウトドアアドベンチャー)
全体的なスタイリングは大きく変わっていないようですね。比べてみるとエアコンの吹き出し口の形状が同じに見えます。いくつかの部品はハスラーと共有するということでしょう。しかし普通車にグレードアップしたため、チープさは避ける必要があります。画像はアウトドアアドベンチャー仕様ですが、落ち着いたシックなインテリアとなっています。
現時点ではXBEEにMTの設定があるのかは明らかではありませんが、ハスラーにはMTが存在します。その場合フロアシフトとなることが予想されます。スズキは積極的にMTを採用していますので、SUVという車種、ユーザーの好みを考慮してMTを用意する可能性も大いにあります。
スズキはこの「XBEE」を今年中に販売するとしています。東京モーターショーでの反応を見て、細かな仕上げを行っていく形だと思います。
まとめ
ここのところスズキの話題がつきません。このXBEEしかり、「新型ジムニー」も気になるところですが、今回は”おあずけ”のようです。
さて、この「XBEE」ですが、見た感じほぼハスラーのようです。こうなると怖いのが「ハスラーでよくね?」という意見です。確かにハスラーよりもパワーや室内空間、安全装備は勝りますが、そこを購買意欲にどう結び付けるかが問題です。ただ「でかいハスラーです。」では厳しいのではないでしょうか。「XBEE」の軽バージョンとして「ハスラー」が出てきたと考えると売れそうな気もしますが、普通車バージョンになったとして、その勢いをそのままにできるとは考えにくいのです。
ヒントとして、「ジムニー」とその普通車バージョンである「ジムニーシエラ」の関係があります。ジムニーシエラはジムニーのサイズをそのままに、エンジンを載せ換え、よりパワーのあるモデルとしていますが、2017年7月度の販売台数によるとジムニーは695台に対し、ジムニーシエラは117台と大幅に少なくなっています。
これは「ジムニーで楽しめることはジムニーで事足りる」ためだと思われます。同じような考えでハスラーを求めるユーザーは、この「XBEE」に対して目移りするでしょうか。
ハスラー目線の話が長くなりましたが、SUVとして見たとき「XBEE」はやはり唯一無二の存在感を放っています。スタイリッシュでクーペのようなSUVが大半を占める市場において、若くもあり、大人でもあり、かわいくもあり、かっこよくもある独自のスタイルは支持されることでしょう。もちろん価格や燃費、装備によってそれは変わります。
いずれにせよ、人気のSUV市場においてどれだけ存在感を示せるかが課題です。東京モーターショーで是非チェックしてください。
出展:suzuki.co.jp、carview.yahoo.co.jp