日本で発売されている自動車には多くの安全装備が搭載されています。
エアーバッグはもちろんのこと、自動ブレーキや操舵補助など、カメラとセンサーを使った先進技術がほとんどのモデルに採用されています。
では、ロシア車の場合どうなのでしょうか?
今回は比較的新しいロシア車を例に挙げ、その特徴を見ていくなかで安全性能を確かめてみたいと思います。
目次
LADA X-RAY CROSSOVER
ラーダX-RAYとはアフトワズ社より2016年初旬に発売が開始されたクロスオーバータイプの車です。
2014年8月に開催されたモスクワ国際オートサロンでコンセプトが発表されました。この車両はルノー日産の傘下であるダチアのサンデロハッチバックをベースに製造されていますが、設計、エンジン、ギアボックスと多種のオプションはオリジナルとなっています。
出展:lada.ru
快適装備
LADA XRAYは快適で高いシートにより、特に都市や軽いオフロードで利便性を発揮します。
・フロントシートヒーター
・運転席シート高さ調整
・フロントガラスヒーター
・雨感知センサー
・リモート集中ロック
・クーラー付きグローブボックス
・外付けトランクボタン
出展:lada.ru
安全装備①
ESC機能は自発的に車両の安全性を高めます。
この知的システムのなかにはスリップの防止や、安全には欠かせない様々なオプションが含まれています。
・アンチロックブレーキシステム(ABS):
緊急ブレーキの際に車両のコントロールを保ちます。
・ブレーキアシストシステム (BAS):
ブレーキペダルを強く踏んだ場合、自動的にブレーキ圧を高め、最大限に車両を減速させます。
・トラクションコントロールシステム(TCS):
滑りやすい路面や凹凸の激しい路面でタイヤが空転する際、その差異を防ぎ、ダイナミックな操作を可能にします。
・エレクトリックブレーキフォースディストリビューション(EBD):
効率よく車軸間のブレーキ力を分配し、スリップを防ぎます。
安全装備②
全てのLADA XRAYは運転席と助手席にエアバッグ、プリテンショナー(衝突時にベルトを瞬時に引き込むことで乗員保護性能を高める)シートベルト、負荷防止装置を設置しています。
またLADA XRAYはISOFIXシステムを装備しているため、自動でリアドアのロックを行います。小さな子供を乗せていても安全・快適に旅をすることができます。
安全な乗り物は道路で見られる乗り物です。LADA XRAYは明るいLEDデイライトのおかげで、その流れのなかで見失われることはありません。LEDでライティングされたフロントのXクロームは、そのスタイルをより引き立たせてくれます。
過酷なコンディションへの備え
・2面式亜鉛ボディーコート
・底面およびキャビティ防腐コート
・車高195mm
・高効率キャビンエアーフィルター
・B0プラットフォーム
・プラスチックおよびゴムの窓枠トリム
エンジン
ニーズに合わせ3タイプから選択できます。 106馬力のエンジンにはマニュアルトランスミッション(MT)を、最もパワフルな122馬力のエンジンには自動マニュアルトランスミッション(AMT)を備えます。
トランスミッション
AMTはマニュアルとオートマチックを機能的に組み合わせたもので、外気温に影響されないよう、ロシア専用に設計されています。AMTはフル機能のマニュアルギアボックスにエンジンブレーキと雪から脱出する機能「ピッチング」を含めたものとなっています。他のトランスミッションと違いAMTは低燃費であり、車両の寿命にもよい影響を与えます。そして何より他のオートマチックトランスミッションよりも扱いやすくなっています。
人体工学
LADA XRAYは「車は第2の家」という原則の下設計されました。
内装は快適かつ理性的です。
キャビンにはカップホルダー、ドアトリムのポケット、助手席の引き出しコンテナ、クーラー付きグローブボックスといった小物入れを多数を備えています。
トランクには物を置けるネット、リアタイヤ上のアーチにはプラスチックの置き場を設けています。トランク内の2つの仕切りと折り畳み可能なリアシートを使えば、より広いスペースを生み出すことができ、どんな形、サイズの荷物でも簡単に運ぶことができます。リアシートは6:4で折りたたむことができ、大きなサイズの荷物でも積載可能です。
出展:lada.ru
まとめ
日本において一般的なセンサーやカメラを用いた安全装備は今のところありません。
ABSやTCSをわざわざ安全装備として挙げていることからも、やはりひと昔遅れている印象を受けずには居られません。
ですが逆に言えばピュアなドライビングフィーリングが楽しめるのも事実です。ラインナップにMTが用意されているのも、厳しい自然環境をタフに耐え抜くために必要なのかもしれません。
ひょっとすると、そういったロシアの自然環境は先進テクノロジーにとっても、苦手な土地と言えるのかもしれません。