経営状態が思わしくない日産自動車。
ゴーン時代の拡大路線からの立て直しが急務となっていますが、その中で車種整理は避けて通れません。大きく広がった販路から利益の出ないものを切り捨てる時が来たようです。
アメリカ市場から商用バン撤退か
(和約)
関係者がAutomotive Newsに語った内容によると、コストカットの一つとして、日産はアメリカから商用バンの撤退を計画しているといいます。それによるとミシシッピでのNVカーゴとNVパッセンジャーバン、さらにメキシコでのNV200の生産を終了するといいます。
Automotibe Newsの取材に対し関係者は「アメリカではこれ以上商用バンをやって行きたくない。」「我々は降りる。」と語りました。
いつ生産を終了し、市場から撤退するのかかといった詳細な情報は明らかではありません。
2019年度の日産のバンの販売台数は成長しました。NV200は20,022台を販売し18.5%の増加。NVは18,768台を販売し0.8%の増加です。比較として、フォードはトランジットを153,868台販売し11.7%の増加。トランジットコネクトは41,598台を販売し30.3%の増加となっています。
NV-3500
Automotive News Data Centerは商用バン市場の約50%がフォードによって支配されていることを指摘します。一方で日産はわずか8%です。
日産の経営改善はグローバルラインナップにおけるモデル数を現在の69から50にまで削減することを目指しています。ダットサンブランドは廃止となるでしょう。しかしフレッシュな状態を保つためにも、日産は12台もの新型車を今後18カ月のうちに投入する計画です。これには大きく期待される新型フロンティアピックアップや新型Zも含まれます。
経営計画としてインフィニティブランドのテコ入れも含まれており、今後のモデルは日産とプラットフォームを共有していくと考えられます。これは現在の後輪駆動車が消滅することを意味します。
・・・・・所管・・・・・・・・・・・・・・・
上の写真は2012年にアメリカで販売が開始された「NV」という商用バンで、日産にとって初めてのフルサイズバンとしてカテゴリに参入した車です。まさに拡大路線まっしぐらの時代に生まれた車であり、アメリカ専用の商用バンなどトヨタですら手をつけていない、かなり勇気のいるマーケットです。それがついに力尽きたということでしょう。
構造改革でいらないモデルやブランドを整理し、同時に新型モデルを出して新鮮味をアピールするということですが、結局同じようなことの繰り返しにならないように、ゴーン無き今、その経営手腕が問われます。