「あおり運転」などで交通に危険を生じさせる恐れがあるとして、各都道府県の公安委員会が1~3月に免許停止の行政処分としたのは13件に上ったことが26日、警察庁のまとめで明らかとなりました。
今年は特に多いようです。
目次
免亭者 去年の9倍
免許停止の行政処分はここ4年は年間でも4~7件しかありませんでした。
去年も6件でしたが今年は既に13件が免許停止処分となっており、例年の9倍のペースと異常な高まりを見せています。
道路交通法では、《事故を起こしていなくても、将来事故を起こす可能性が高いと認められる場合「危険性帯有者」として免許停止にできる》と規定されており、警察庁は昨年12月、この規定の積極的な適用と取り締まりの強化を全国の警察に指示していました。
死亡事故に発展する恐れがあるあおり運転が社会問題化したことを背景に、今後も適応者が増えるとみられます。各警察本部が交通違反としての摘発のほか、行政処分との両面から、悪質・危険な運転の封じ込めに乗り出しています。
きっかけとなった事故
もちろん昔からこうした危険運転によるトラブルは存在しますが、ここ最近大きく注目されるようになりました。そのきっかけとも言えるのが、東名高速道路で発生したこちらの事故。
東名高速の追い越し車線で停車させ、そこにトラック
…夫婦死亡で福岡の25歳男を逮捕
神奈川県大井町の東名高速道路で6月、ワゴン車が大型トラックに追突され夫婦が死亡し、娘2人がけがをした事故があり、県警は10日、ワゴン車を無理やり停車させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)などの疑いで福岡県中間市の建設作業員、石橋和歩容疑者(25)を逮捕した。
逮捕容疑は6月5日午後9時35分ごろ、静岡市清水区の自動車整備、萩山嘉久さん(45)のワゴン車の進路をふさいで追い越し車線に無理やり停車させ、トラックが追突する事故を引き起こしたなどとしている。この事故で、嘉久さんと妻の友香さん(39)が死亡、高校1年と小学6年の姉妹がけがをした。
嘉久さんは手前のパーキングエリアで、ワゴン車の進路をふさぐように駐車していた石橋容疑者を注意したという。
怒った石橋容疑者が高速道路上を約1キロにわたって追跡。後ろから接近した上、前に割り込んで減速し、一家の車を追い越し車線上に停止させた。車から降りて嘉久さんの胸ぐらをつかむなどした直後に、後ろから来たトラックがワゴン車に突っ込んだという。
出展:sankei.com
この事故以降も危険運転のニュースは堪えません。
神奈川県伊勢原市の路上でバイクに幅寄せして転倒させ、運転の男性を負傷させたとして、神奈川県警交通捜査課は21日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)などの疑いで、同市伊勢原の無職、杉本壮容疑者(25)を逮捕しました。
あおり運転に適応される違反とは
警視庁サイトによると、いわゆる「あおり運転」は重大な交通事故につながる悪質・危険な行為とされ、車間距離保持義務違反、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反のほか、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)や刑法の暴行罪に該当することがあると記載されています。
車間距離不保持違反:違反点数1点、反則金6000円
進路変更禁止違反:違反点数1点、反則金6000円
急ブレーキ禁止違反:違反点数2点、反則金7000円
危険運転致死傷罪:致傷点数45~55点/欠格期間5~7年、致死点数62点/欠格期間8年(前歴ない場合最大10年)殺人や傷害の故意をもって自動車等により人を死傷させた場合(運転殺人、運転傷害)と同等の処分。(※欠格期間:免許が取得できない期間)
車を運転する際は、周りの車の動きなどに注意し、安全な速度での運転を心掛け、十分な車間距離を保つとともに、無理な進路変更や追越し等は絶対にやめましょう。
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