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なぜクラシックタイプの車は減ったのか?

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クラシックタイプとは

ひと昔前の車には、よくクラシックタイプのグレードが存在していました。光岡自動車やパイクカーを除いて、既存の車種を改造しクラシックにみせるものですが、現在販売されている車にはそういったクラシックタイプの車種を見ることがありません。一体なぜクラシックタイプの車は作られなくなったのか。自分なりに考えてみました。

過去には多くあった

さすがにこれまで売られたクラシックタイプの車をすべて挙げることはできませんが、パッと思いつくだけでも、ヴィヴィオ:ビストロ、ミニカ:タウンビー、プレオ:ネスタ、セルボ:クラシック、パジェロJr.:フライングパグ、インプレッサ:カサブランカ、マーチ:ボレロ…などなど、主に90年代に多く製造されていたと分かりますね。

               スバル・ヴィヴィオ ビストロ
出展:kakaku.com

クラシックの特徴

クラシックというからには、クラシックな要素を満たす必要があります。上記の車種の多くに共通して見られるデザイン的特徴としては、
・丸目ヘッドライト/テールライト
・縦長グリル
・クロームメッキバンパー

が最低限クラシックとしてデザインに取り入れられています。これらはまさに、日本が自動車をまだ作っていなかった時代のアメ車(パッカードやクライスラー)のイメージです。
(余談ですが、下のパッカード・スーパーエイトはトヨタが初めて作った自動車トヨダAA型とほぼ同じ時期のものです。)

                                                         パッカード・スーパーエイト
出展:ja.wikipedia.org

理由

では、なぜこういったクラシックタイプの車を見る機会が減ってしまったのでしょうか。
以下の3つの理由があると考えます。

・デザイン

ひと昔前の自動車のデザインは、四角いヘッドライト、四角いグリル、四角いバンパーとシンプルな構造をしていました。ゆえに融通が利きやすかったのです。なのである時期では各社こぞってクラシックタイプの車種を販売していました。
近年車のデザインは空力や燃費を考慮した結果どんどん複雑になり、シャープで丸みを帯びたデザインが主流となっています。細長いツリ目のヘッドライトを可愛い丸目に変えるには根底から設計をし直す必要があり、とても採算が合うとは思えません。

・対人安全性

近年では自動ブレーキはもちろん、人と接触したことを考えた歩行者用のエアバッグが存在する等、対人安全性が重要視されています。これにより消滅したのが有名なリトラクタブルヘッドライトです。様々な理由がありますが、展開時に人と接触すると危険だという理由も消滅の大きな一因でした。ボンネット上のエンブレム(ボンネットマスコット)も同じような理由で近年では採用されていませんね。
先ほどの特徴を満たすクラシックタイプを作ろうとすると、ジグザグとした正面デザインにならざるを得ません。「クラシック感満載のクラシック風」を作ることができなくなった以上、無理やり作る理由もないですよね。

・コスト

上記二つの理由から、自動車の改造性(カスタマイゼブル)は悪くなっています。ひと昔前は違う車のバンパーを付けてみたり、グリルを変えてみたりできたと思います。ですが現在の車は一台一台専用のパーツで出来ているため、後からちょっと変えることができなくなっているのです。ましてバンパーがグリルやヘッドライトにまで広がったようなデザインが多い昨今ではなおさらでしょう。ゆえに自然とコストがかかってくるのです。

結論

燃費・対人安全性等を考慮したデザインを後から変えて、皆がイメージするクラシック風な見た目を作ることが困難なため。

ですが最近、フィルムのカメラの方が味があると再び注目されたり、スカイツリーでディスコが開催されるなど、レトロブームが来ていると個人的には考えています。需要が増えればこの状況は変わるかもしれません。

今だからこそクラシック

人と違うオリジナリティーやアイデンティティーが大切なのはいつの時代もそうです。そのような中でクラシックな要素は、その人物を特徴づける大きな要因となってくれるでしょう。では2017年現在、新車で購入可能なクラシックタイプの車はあるのでしょうか。

                マーチボレロ
出展:autech.co.jp

マーチボレロ

日産自動車のマーチは1992年発売の2代目マーチから「ボレロ」というレトロシリーズを展開しています。(オーテックによるカスタム)このボレロシリーズは軽自動車のデイズ、デイズルークスにも展開されています。当初に比べてクラシック感は少なめですが、今でも続く貴重な存在です。

そのほかには、中古車をベースにクラシック風にカスタムする業者がたくさん存在しています。そういった車両も一度チェックしてみると面白いかもしれません。

 

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