2010年12月に日産自動車より発売を開始した電気自動車のリーフですが、フルモデルチェンジされ2017年9月6日に公開されました。本記事では、デザインを主に何が変わったのかについてお伝えいたします。
目次
エクステリア
フルモデルチェンジということでそのエクステリアは大きく変化を遂げました。日本を代表する電気自動車として定着していくでしょうか。まずはフロント周りから見てみましょう。
フロント
初代
新型
フロントフェイスは特徴的な初代と比べて随分スタイリッシュになりました。しかし全体的なプロポーションはおおよそ同じようです。
充電ポートは初代のフロントグリル部から新型ではその上部に変更されています。
リア
初代
新型
リアデザインもフロント同様、大きく印象を変えました。テールライトからはジュークやフェアレディZのようなイメージを感じます。バンパー下のブルーのラインもワンポイントとなっています。
インテリア
初代
新型
写真うつりのせいなのか、若干「未来感」が失われて普通になった印象を受けます。メーター周りは一般的なアナログベースのものに変更されています。
また、エアコンの調節などに使う中央の「蝶」のようなボタン類は初代から流用していることが分かります。
内装
初代
新型
粗探しみたいですが、ドアパネルが初代のままだということに気がつきます。エクステリアの方はプレスラインに合わせて変更されていますが、内側はそっくりそのままです。
全体的に落ち着いた印象ですが、これといった特徴はありませんね。未来の車なのだから、せめて外から見えないインテリアぐらいはもうちょっと冒険してもよかったのではないかとも思います。
フルモデルチェンジだといってもコストカットは随所になされているようです。
性能比較
航続距離
初代:JC08モード-200km
新型:JC08モード-400km
電気自動車のネックである航続距離ですが、初代の2倍の400kmと大幅に向上しました。単純に電池切れの心配は半分になりましたね。
バッテリー容量
初代:24kWh
新型:40kWh
その航続距離に大きく影響を与えるバッテリーですが、大幅な改善が見られ、60%も容量が向上しています。
さぞかし大きなバッテリーを積んだのでしょうね・・・といいたいところですが、「バッテリーセル内の単位面積あたりのリチウムイオン高密度化」と「バッテリーモジュールおよびパックの内部構造の最適化」により、バッテリーサイズを変えずに大幅な容量アップを実現しています。
バッテリー自体が進化しているわけですね。
充電
急速充電時間(80%)
初代:30分
新型:40分
気になる充電時間ですが、急速充電の場合初代はバッテリー容量が24kWhでしたので0.8kWh/1分でしたが、新型は容量がUPしているた80%には10分多くかかるものの、1kWh/1分となり充電速度自体は若干向上しています。
単純に考えると初代の航続距離は200kmでしたから、30分充電では160km走れたことになります。新型では40分で320km。つまり160km走るためには20分の充電で賄えることになります。
また、初代同様にメーター部分にモニターがあるので、様々な情報が表示されます。こちらは予測充電時間の表示を比較したものです。よりビジュアル化されて分かりやすくなっています。
初代
新型
先進技術
新型リーフには多くの先進装備が搭載されています。
・e-pedal
アクセルペダルだけで加速、減速、停止を可能にする新たな装備です。これまでとは違った新しいドライブの形を提案してくれます。
・プロパイロット
高速道路での、単調な渋滞走行と長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御してくれます。ロングドライブで重宝しそうです。
・プロパイロットパーキング
ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト、パーキングブレーキまでをすべて自動制御し、縦列駐車や並列駐車、車庫入れなどを行ってくれます。
もちろん自動ブレーキといった安全装備は搭載されています。もう当たり前になってきましたね。リーフはその先を行くというわけです。
価格
グレードはS、X、Gの3つ用意されます。メーカー希望小売価格(消費税込)
S:315万円
X:351万円
G:399万円
ちなみに初代の価格は以下の通りです。
S:250万円
X:295万円
G:332万円
やはり高性能バッテリーや先進装備の搭載で大きく値上げとなっています。
発売日
日本での発売は10月2日となっています。
▶【リーフ】TVCM「登場」篇 30秒:日産自動車株式会社
まとめ
多くの先進装備とともに、日本を代表する電気自動車としてどれだけ普及できるかがこれからの勝負です。しかしデザインに関しては個人的にはあまりうれしくありません。
新型リーフといいますが、電気自動車であるという点以外でリーフの面影は見当たりません。これでリーフと言ってしまっていいのかとも思います。
初代リーフのデザインは当時の他車種と比べて特異で、電気自動車として差別化されている印象を受けました。しかしその特徴的なデザインは万人受けするものではなく、「ブサイク」という意見は多くありました。
日産としては電気自動車をなんとしても普及させたい、そのためには皆に受け入れられるような見た目が必要だったのかもしれません。今回のエクステリアの大胆な変更は、そういった意見の影響を少なからず受けたと思われますが、この新型リーフはあまりにも「普通」になってしまいました。
ユーザーに偏りすぎた結果、思い切った整形手術をしたのだとしたら、残念です。ブサイクと言われようが、デザインコンセプトは踏襲してほしかった、そうすれば「あの顔はリーフだ」として定着し、これが本来の人気のとりかただと個人的には思います。
いずれにせよ選ぶのはユーザー個人個人ですから、一体どれだけ普及するかに今後は注目していきたいところです。
画像出展:nissan.co.jp