各社力を入れて開発に取り組んでいる軽自動車。特にジムニーやN-VANといった特定の層に向けた「ちょっと特殊」な車が存在感を増しています。
そんな中、最も特殊といってもいい一台がモデルチェンジを実施しました。その名もダイハツ・ハイゼットデッキバンです。
目次
ハイゼット デッキバンとは
初代は1988年の登場。7代目ハイゼットバンの荷室部分を切り取り、バックドアを下開きのゲートに変更し、荷室を荷台とした4人乗りの軽トラックです。
初代ハイゼット デッキバン
その後2代目(1994年)、3代目(1999年)、4代目(2004年)とハイゼットのモデルチェンジごとに代を重ね、現行は2021年発売の11代目ハイゼットバンをベースにした5代目となります。
排気量2000cc未満の車種カテゴリーにおいては数少ない新車で購入可能な正真正銘のダブルキャブ・ピックアップなのです。
デザイン
フルモデルチェンジに伴い、デザインが大きく変わっています。先代モデルと比較してみましょう。(上:先代/下:現行)
フロント
リア
街中で見かけることはあまりないかと思いますが、相当インパクトがあります。
ボディサイズは変わっていませんが、全体的な雰囲気はそのままに新型はより角ばったシャープな印象を受けます。リアウインドウのサイズを拡大するなど、使い勝手の向上が随所に施されています。
カラーバリエーションは基本ホワイトとブライトシルバーメタリックの2色ですが、オプションである「カラーパック」を注文すればアイスグリーン(薄緑)、シャイニングホワイトパール(白)、ブラックマイカメタリック(黒)、オフビートカーキメタリック(茶色)が選択できます。
特徴
何といっても軽バンの荷台が切り落とされたピックアップスタイルです。冷蔵庫のような背の高い荷物はもちろんのこと、濡れモノや汚れモノが気兼ねなく搭載できることが強みです。
ピックアップとはいっても、後部座席があるのでちゃんと4人乗れることも大きなメリットです。後部座席は床下に収納可能なので、室内と室外で積み分けることもできますね。
仕事でも活躍
価格
グレードは「G」「L」の2種類です。新型から「スマアシ」がステレオカメラを採用した新世代型となり、全車標準装備となりました。5MTが選択できるのはいいですね。
駆動方式 | トランスミッション | メーカー希望小売価格(税込) | |
G | 2WD | CVT | 1,551,000円 |
4WD | 1,705,000円 | ||
L | 2WD | CVT | 1,375,000円 |
5MT | 1,320,000円 | ||
4WD | CVT | 1,529,000円 | |
5MT | 1,474,000円 |
最も低価格なのはLグレードの2WDで5MTの1,320,000円、高価格なのはGグレードの4WDでCVTの1,705,000円です。
ちなみに先代モデルは最低価格がLグレードの2WDで5MTの1,209,600円、最高価格はGグレードの4WDで5MTの1,488,240円でした。
なぜ生き残っている?
魅力満載にもかかわらず、当初からあまり売れているようではないデッキバンですが、なぜ打ち切りにならず新型でも用意されているのでしょうか?
その理由はおそらく製造方法にあります。実はこのハイゼット デッキバンですが、実際にバンのホワイトボディーを切断し、手作りで生産されています。つまり出来上がったハイゼットバンを「改造」するという感覚ですので、デッキバン専用の投資が最小限で済み、やりくりできているのだと思います。
2022年1月開催の東京オートサロンでは、乗用モデルのアトレー・デッキバンをベースにしたキャンプ仕様のコンセプトカーの公開が予定されています。先述したように、ちょっと特殊な軽自動車がブームになっています。この波に乗って大きく注目される日が来るかもしれません。今後も注目の一台です。
2018年東京オートサロンに出展された「デッキバン アクティブバーション」