第46回東京モーターショーが10月26日より一般公開されております。
私クースキーももちろん行きましたよ。前回と同様に電気自動車の出展を多く見ることができました。
本記事では、個人的に気になっていた車種を中心に、現地・現物の写真を踏まえて思い出したいと思います。
※コンパ二オンのセクシーさは低めだった印象。
目次
はじめに
今回のショーテーマは「OPEN FUTURE」です。このテーマは、業界を超えたオールインダストリーで「クルマ・バイクのワクワクドキドキ」から、「未来の暮らし」、「未来の街」まで領域を広げていこうという思いが込められています。
東京モーターショーは前回開催の2017年より、自動車産業の枠を超えて、様々なアイディアやテクノロジーを取り入れ、「これまでのモビリティの価値を拡張していく」というビジョンを掲げ、大きく生まれ変わるための取り組みをはじめています。
ステートメント
ひろげよう。思い描く明日を。
今想像できることが、すべてだなんて限らない。
ひろげよう。昨日までの常識を。
当たり前を疑うことから、革新は生まれる。
ひろげよう。夢のかなえ方を。
発想と技術があれば、可能性は無限大だ。
だから、東京モーターショーは開放する。
発想も、仲間も、領域も。
ワクワクすることなら、なんでもあり。
お台場全域に広がった会場には、
モビリティのつくる、あらゆる未来がある。
誰でも、どこからだって、参加は自由だ。
さあ、一緒にひろげよう。未来の可能性を。
トヨタ車体
グランエース 【世界初公開】
ランドクルーザーやハイエースなどの企画・開発・生産を担当するトヨタ車体は、アルファードやヴェルファイヤよりも上位クラスの高級フルサイズワゴン「グランエース」を出展。落ち着いたデザインで最近のトヨタにしては控えめな印象です。
乗車定員は6人。それぞれ独立したシートが移動時間を贅沢に仕立て上げてくれます。
トヨタ自動車からバン事業が移管されて以降、初めての国内投入モデルで、2019年内の発売を予定しています。一般向けなのかは不明ですが、アルファード・ヴェルファイアユーザからは嫉妬されることでしょう。
スバル
新型レヴォーグ プロトタイプ 【世界初公開】
スバルはクルマの未来について、単なる移動手段や便利さを追求した道具ではなく、自分の意思で運転を愉しめるべきだと考えています。この新型レヴォーグはそのビジョンを具現化したモデルです。
新開発の1.8L直噴ターボエンジンと、新開発の新世代アイサイトなどを搭載。極限までゆがみを抑えた高剛性ボディを実現するフルインナーフレーム構造を採用しています。
このレヴォーグには、スバルのデザインフィロソフィーである「Dynamic×Solid」を深化させるとともに、新デザインコンセプト「BOLDER」を初採用しています。
数少ないステーションワゴンとして存在感を持つことは大事ですが、個人的にはこのご時世、デザインが少々煩雑かなといった印象です。
三菱
MI-TECHコンセプト 【世界初公開】
三菱自動車が得意とする4輪制御技術とPHEVのさらなる挑戦となる、より軽量・小型化したPHEVシステムと電動4WDシステムを採用したスモールサイズのSUVです。
近年の三菱自動車のデザインテーマである「ダイナミックシールド」が使われていますが、バギータイプのデザインが特徴的です。
しかし最も特徴的なのは搭載するPHEVシステムの発電エンジンとして、ガスタービンを採用する点です。ガスタービンエンジンは軽量・小型・高出力である半面、効率よく発電するためには大量の熱を発生させるため、その熱を逃がすためのファンが車両後部に4か所に装備されています。
市販化は100%ないかと思いますが、EVやPHEVに見るように三菱は意外と先見性があるので、ガスタービンのような他がやらない技術が実は未来の世界では活躍していたりしそうです。
スーパー軽ハイトワゴンコンセプト 【世界初公開】
eKクロスで評判となったダイナミックシールドを採用し、SUVテイストを盛り込んだ軽ハイトワゴンのコンセプトです。eKクロスではポジションライトとなる上部のライトがこの軽ハイトワゴンではヘッドライトとなっています。広々とした居住空間と各種先進機能が搭載されています。
日産との合弁会社NMKVにて企画されたこの車両。今世代は開発が日産、生産が三菱という役割分担をしています。日産からも同じような車が出てくることになりますが、日産よりも三菱が先に公開するというのはどういった理由があったのか気になりますね。
スズキ
ハスラーコンセプト 【世界初公開】
大ヒットとなったハスラーの新型が公開されています。「タフで力強い」新たなスタイルを提案するデザインと、今まで以上に遊びの幅が広がる実用性を追求しています。
新型ジムニーの原点回帰ともいえる無骨なデザインが話題となっていますが、ハスラーにもそうしたタフなテイストを採用し、よりボクシーになっています。ファッション感覚でジムニーを選ぶと後悔することになりますが、その受け皿になりそうです。
ホンダ
新型フィット 【世界初公開】
ホンダを代表するコンパクトカー「フィット」の新型が公開されています。現行モデルに比べ大幅にシンプル化した印象です。
もともと今年中には発売が予定されていましたが、採用している電動パーキングブレーキの不具合により発売は延期となっています。この不具合は同じパーキングブレーキを使用している新型「N-WGN」で既に発生しており、発売開始から2か月足らずで生産停止状態が続いています。
いきなり出鼻が挫かれていますが、トヨタ・アクアや日産・ノートを野放しにしておくわけにはいきません。普通車が不振のホンダですから、失敗は許されないのですが・・・。
アコードやシビックでも採用する逆スラントノーズ。これ好き嫌いが分かれる。
給油口はオシャレなレイアウトとなっている
e 【日本初公開】
2020年に発売が予定されている都市型EV。初代シビックを彷彿とさせる愛嬌のあるデザインが特徴的です。2017年の東京モーターショーにも出典されたコンセプトカー「Honda Urban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト)」をベースとし、市販に向けて進化させたモデルとなります。
航続距離は約220kmといわれ、2019年後半にも生産開始となるようです。航続距離がさほど多く無いにもかかわらず価格はドイツ価格で407万円。少ない航続距離の割には結構高額です。
デジタルサイドミラーやポップアップ式のドアハンドルなど魅力的な先進的な装備は満載ですが、日本での発売は現時点で未定となっています。
ダイハツ
TSUMU TSUMU 【世界初公開】
次世代軽トラックとして出展されていたコンセプトカー。用途に合わせて荷台を換装することができ、従来の軽トラックの使い方にとどまらない、農業用ドローン基地や個室空間といった用途の提案をしています。
ホンダもアクティトラックの生産を終了する予定ですし、純粋なキャブオーバー型軽トラックはいよいよスズキ・キャリィとダイハツ・ハイゼットのみとなってきました。ただの商用としてだけでなく、このコンセプトのように秘密基地のような軽トラックは結構需要があるかと思います。
マツダ
MX-308 【世界初公開】
マツダ初のEVとして公開されたのがこのMX-30。電気駆動ならではの自然な「人馬一体」感を実現した、スポーティーなクロスオーバーSUVの電気自動車です。
後部のピラーには「MAZDA」の刻印
ドアはRX-8でも採用されていた観音開きのスーサイドドア構造。こういうのをしれっと入れてくるあたりがオシャンティーですが、後席へのアクセスや居住空間を犠牲にしてしまっています。しかしEVというあくまで限られた用途に使用すると考えた時、さらにマツダと言うキャラクターを表現するうえでもその個性が大きな特徴になっていると言えます。
番外編
マイクロリノー
マイクロスクータージャパンが出展していた2人乗り小型EVの「マイクロリノー」。かの有名なイソ・イセッタをモチーフとした愛嬌のあるレトロデザインが特徴的です。
最高速度は90km/h。バッテリーは8kWhと14.4kWhの2種類を用意し、航続距離はそれぞれ125km、200kmとなっています。
乗り降りはフロント一枚が全て開閉し、ハンドルや計器類が一緒に持ち上がります。余計なものを極力省いたことによるシンプル設計がなせる業です。
日本での発売は未定ですが、高齢化社会の日本ではちょっとしたお出かけ程度で軽自動車に乗るよりも使えそうですね。
e-Apple
三重県四日市市に本社を置く中古車を輸出、
実はこの車、中国のEVメーカー Nanjing Jiayuan Special Electric Vehicles Manufacture Co.,Ltd(南京嘉远特种电动车制造 有限公司)が生産し、アップルインターナショナルが日本国内における独占販売権を持っている小型EVなのです。
原付登録のため維持費が安価、乗員1名のコンパクトEV、家庭用コンセントでバッテリーを充電できるといった特徴を持つ電気ミニカー。2019年4月1日より国内での販売を開始しています。
まとめ
気になっていた車種を並べてみましたがトヨタ、日産は個人的にこれといった車がなかったので割愛します。
今回も自動車といったジャンルにこだわらない展示が多かったです。例えば電気自動車ならそれを日々の暮らしにどう活用できるか、暮らしをどのように豊かにできるかといった、未来の世界を描いたような出展・演出が多々見受けられました。
さらに発売間近のようなコンセプトカーが全体的に少なく、そういうこともあってか個人的にはたいした見所がなく、あまりワクワクすることはありませんでした。年々魅力が薄れていくと感じるのは自分だけ?
今や電気自動車はあたりまえ。それにコネクテッド、自動化、シェアリングを加えた「CASE」という概念により、車の概念が大きく変わろうとしています。しかしそれ以前にEVとしての基本性能がまだまだ成熟していません。航続距離や充電時間は依然内燃機関を持つ車に比べてはるかに劣ります。
さらに自然災害などで電気が使えないというリスクも、ここ日本においては常に存在しています。自動運転やその間何をして過ごすとかではなく、そろそろいい加減現実的な役に立つ車を考えてほしいものです。
余談ですが、各ブースでもらえるパンフレットのようなものは、経費削減か未来を意識してか全体的に少なかったです。QRコードを載せて「続きはWEBへ」的なことになっており、その場で得られる情報がなさすぎです。個人的にスバル、スズキは見やすかったのですが・・・ひょっとして僕が時代遅れなのか?!
一例