日産の高級ブランド「インフィニティ」。
日本ではさほど馴染みはありませんが、このところ大きく販売台数が減少しているようです。
販売台数2018年比21.1%減
(和約)
2019年度のインフィニティUSAの販売台数はあまりよくありません。日産のプレミアムブランドにとって厳しい年となりました。需要が149,280台から117,708台へと21.1%減少したのです。それだけでなく、2019年は全てのモデルにおいてその台数を減らし、最もひどかったのがメルセデスGLAがベースとなっているQX30です。
Infiniti QX30
インフィニティQX30は、メルセデス・ベンツとの協業によりAクラスのプラットフォームを使って開発された、コンパクトSUV。
この高級コンパクトクロスオーバーはアメリカでたった3,229人に納車されたことになり、販売台数は60.1%の減少です。インフィニティ自体が2019年の初めに認めたように、QX30が成功した製品ではなく、メルセデス・ベンツとGLAとの関係なしに後継車を開発することを約束していることを見れば、それはそれほど驚くことではありません。
Q60は昨年と比較して2番目に大きな落ち込みを見せており44.4%減の5,043台。Q70も43%減の2,552台と大幅な減少となっています。インフィニティは2019年の末に大型セダンを打ち切りとしているため、アメリカでは大型セダンは2020年を生き残れないと指摘しておきます。
Infiniti Q60
Infitini Q70
インフィニティは昨年30周年を迎え、2019年末にかけて「Edition30」モデルをいくつか展開していましたが、テーブルをひっくり返すには不十分でした。QX50は26.7%、Q50は25.5%の減少となり、減少率が2ケタではないモデルはQX60とQX80の2つだけで、これら大型SUVの減少率はそれぞれ”たった”8.9%と0.5%でした。
Infiniti Q50
Infiniti QX50
Infiniti QX60
Infiniti QX80
アメリカでインフィニティの販売台数を復活させる可能性はあるのでしょうか?新型QX55クロスオーバークーペは2020年夏ごろにディーラーへ到着し、BMW X4やメルセデスGLCクーペなどを引き受けるために、QX50とQX60の間に配置されるでしょう。
Infiniti QX55
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アメリカに限った話なので、世界で見た場合にどうなのかは不明です。
日産と言えば国内ではなかなか新型車が発売されず、さらにはゴーン元会長の一件など絶賛イメージダウン中なのですが、まったくもって経営がうまくいっていません。2014年に新興国向けとして復活させたダットサンブランドも、赤字車種の生産終了、全世界的な組立ラインの停止を検討しています。
やめるのは簡単と言いますが、諦めが肝心です。そういう意味では選択と集中を行うために、キューブやジュークを生産終了にするのも筋が通っているのかもしれません。しかしニーズを無視すると後で痛い目にあうでしょうね・・・。