小さな子供を車に乗せる際は、チャイルドシートの使用が義務付けられています。
しかし、しっかりその規定を守っていても危険が伴う場合があるとして変更がありました。
目次
チャイルドシートの規定を変更
内閣府などの関係省庁と民間で構成する「シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会」は、チャイルドシートの使用推奨基準とする「身長140センチ未満」という規定について危険性が排除できないとして取りやめたことが分かった。
警察庁は「統一的な身長基準を検討する必要がある」と指摘し、道交法の改正が必要か検討する。協議会で事務局を担う内閣府の担当者は「より安全に使用するためには150センチ未満を参考にしてほしい」としている。
道交法は6歳未満のチャイルドシートの使用を義務付けているが、身長の規定はない。
シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会とは
シートベルト・チャイルドシートの着用が交通事故による被害の防止及び軽減に大きな効果があることを国民に周知徹底するとともに、着用の習慣付けを図るため、官民一体となってシートベルト・チャイルドシート着用推進キャンペーンを実施することを目的として、関係行政機関及び民間団体により構成された協議会として設立されました。
出典:身長140センチ未満、取りやめ チャイルドシート基準で協議会
きっかけとなった事故
2024年8月、福岡市早良区の国道で軽乗用車が対向車線のバスと正面衝突し、シートベルトを着けた姉妹2人が死亡する事故がありました。
福岡県警は事故の原因は当時運転していた母親(32)が「カーナビの画面を見ていた」ことにあるとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで書類送検しています。
後部座席にいた7歳と5歳の娘の死因は腹部が圧迫されたことによる出血性ショック。二人ともシートベルトを着用していましたが、車内にチャイルドシートはありませんでした。道路交通法は6歳未満にチャイルドシートの使用を義務づけており、妹には着用義務がありました。
▶チャイルドシート不使用の危険性~衝突時~【JAFユーザーテスト】
JAFは独自に150cmを規定
日本自動車連盟(JAF)は推奨する身長の基準を「140センチ未満」から「150センチ未満」に引き上げることを決めました。
道路交通法では6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務付けられていますが、6歳以上であっても子どもの体格によってはクルマのシートベルトが十分な効果を発揮できない場合があるため、チャイルドシート(ジュニアシート)を活用を呼び掛けています。体格の目安は身長150cm未満で、確認のポイントはシートベルトが首やお腹にかからないことです。
出典:~JAFのチャイルドシート使用目安を「150cm未満」へ変更~ 新たな検証動画や取り付け方動画も同時公開 | JAF