顧客満足度を調査するJDパワージャパンが9月11日に公開した自動車の初期品質調査の結果、マツダが最下位であることが明らかとなりました。
目次
J.D.パワーとは
J.D. パワー(ジェイ.ディー. パワー, J.D. Power)は、アメリカ合衆国・ミシガン州トロイを拠点とする、市場調査及びコンサルティング会社である。現在はアメリカの投資会社、Thoma Bravoの子会社となって運営されています。
J.D. パワーの顧客満足度調査のなかで最もよく知られるのは、初期品質調査、耐久品質調査など自動車関連の事項です。調査結果は広く告知され、企業側の宣伝に用いられることも多いことから、特に北米においては自動車メーカー・自動車ブランドの評価・イメージや販売実績に与える影響が大きく、消費者の製品選択においても大きな影響を与えています。
日本国内での調査は日本法人により実施されています。
スズキが初期品質総合第1位
2024年9月11日
J.D. パワー 2024年日本自動車初期品質調査SM(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。
自動車の初期品質を捉える本調査は新車購入者を対象に年1回実施され、今回で14回目となる。
ランキング対象となった14ブランド中、最も不具合指摘が少なかったブランドはスズキであった(132PP100、車両100台当たり132箇所の不具合指摘数)。スズキは2011年の本調査開始以来初の総合第1位である。ラグジュアリーブランドセグメントではレクサス(149PP100)が第1位となった。
不具合指摘の内訳は「分かりにくい/使いにくい」をはじめとする車両設計に関する指摘が大半であり、分かりにくさや使いづらさは現代の車の品質における大きな課題となっている。不具合指摘を測定する9カテゴリー中、最も不具合指摘が多いカテゴリーはインフォテインメントで、前年に比べ増加している。インフォテインメントの不具合指摘はブランド間での差も大きく、インフォテインメントの品質強化は初期品質改善における大きなカギである。
出典:2024年日本自動車初期品質調査(IQS) | J.D. Power (jdpower.com)
マツダが最下位
一方で国内メーカーの中で最下位となったのがマツダです。
以前、国土交通省の物流・自動車局 審査・リコール課が運営する、ユーザーからの不具合情報を収集するサービス「自動車の不具合情報ホットライン」に寄せられた不具合情報を調査した際も、人気のSUVセグメントの登録車に限定したところ、マツダの報告件数が異常なほど多く寄せられていることがわかりました。
※2023年12月6日時点
※受付日なので必ずしも現行モデルが対象ではない
特にCX-60の受付件数が全モデル中トップの92件となっています。現行CX-60は初代なので過去のモデルは含まれていないことからも異常な多さだと言えます。マツダはそのほかにもCX-5、CX-3でも多くの報告が上がっています。
CX-60
出典:国土交通省
以上のことからも、マツダの品質に多くの苦情が多く寄せられていることは事実であり、ブランドイメージへの影響は避けられないと思われます。とりわけ上級指向へシフトしているマツダとって、大きな痛手となることでしょう。
近年の自動車は様々な技術を多く取り入れることで、不具合の多さが目立つようになってきています。たとえ不良率が低くても、その不良品にあたってしまったお客さんにとっては100%の不良なのです。販売してからリコールの嵐では信頼を失うだけですので、それまでにいかに品質を玉成させることができているかが決め手となります。人の命を乗せる自動車であればなおさら重要といえます。
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