かつてジムニーと肩を並べて(?)いた軽オフロード車、パジェロミニの復活が囁かれています。SUVの人気がすさまじい昨今、果たしてその流れに乗ることは出来るのでしょうか。
本記事では新型パジェロミニについて出来る限り予想してみたいと思います。
目次
かつてのパジェロミニ
パジェロミニ(Pajero Mini)は、三菱自動車工業が1994年から2013年まで生産・販売していたSUV型の軽乗用車です。
初代 H51/56A型(1994年-1998年) 出展:wikipedia.org
2代目 H53/58A型(1998年-2013年) 出展:wikipedia.org
デザイン
写真を見てもお分かりの通り、2ドアのボクシーなスタイルのなかにもファッショナブルな要素を持ったデザインとなっています。
四角いボンネットのおかげで四隅の感覚がつかみやすく、運転しやすいスタイルです。
ボディ構成
シャーシはモノコックボディにラダーフレームを溶接したビルドインフレームのモノコック構造をもっており、一般的なラダーフレーム車に迫る強度を持っています。
スペック
駆動方式はFRと、イージーセレクト4WDと名付けられたパートタイム4WDの2種類があります。普段はFRとして走行し、悪路では手動で4WDに切り替えることができます。
2012年時点で、エコカー減税非対応などを理由に販売数が最盛期の1/10に減少。独自プラットフォームのため他車種との共用によるコスト削減も困難だったため、2013年1月に生産終了となり、それ以降に後継車は登場していません。
新型パジェロミニ 予想
SUVが大人気の流れにうまく乗れていないのが三菱ですが、本来三菱はパジェロでSUVを席巻した過去があります。実際現行のパジェロも、ランドクルーザーなどに引けを取らない高い性能を誇っています。しかしマーケティング下手なため、その技術力をうまく生かし切れていないのが現状だと思います。
パジェロの開発は停滞し、新型の登場は2019年にずれ込むと考えると、まずはコンパクトなSUVから攻略し、そのあとで本命を打ち出す考えかもしれません。そうなると親子逆転の現象が起きると思われます。
前置きが長くなりましたが、新型パジェロミニについて予想してみたいと思います。あくまで個人の意見ですので、ご了承ください。
開発について
開発は三菱自動車と日産自動車の合弁企業である「NMKV」(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)が行うとされています。
初代パジェロミニは三菱自動車が独自で開発・販売を行っていましたが、2代目パジェロミニは開発は三菱ながらも、日産自動車にOEMとして供給され、「キックス」という名で販売されていました。
エクステリア
プラットフォームの共有化がマストだとすると、基本的にはeKワゴンをベースに作製され、新型では4ドアになる可能性が高いです。そのため利便性が大幅に向上します。
現行eKワゴンカスタム 出展:wikipedia.org
燃費やユーティリティを考慮して、背面タイヤは廃止となる可能性が高いです。背面タイヤが無くなることで、トランクを上開きにできれば、使い勝手が広がります。
デザインは最近の三菱のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が取り入れられるはずです。ということで個人予想イメージです。
フロントはそのダイナミックシールドと、エクリプスクロスのイメージを足してみました。リアもアウトランダーのイメージで、テールライトを一直線につなげてみました。
eKクロスオーバーといったほうがしっくりくるような・・・
インテリア
エクステリアから想像するに、モダンで落ち着いたインテリアになるでしょう。4ドアになったことで4人が楽に乗りこむことができますが、その反面シートアレンジがどこまで幅広いかも気になるところです。
eKワゴンカスタム 出展:mitsubishi-motors.co.jp
こういったタイプの車ですと、重い荷物をトランクからスライドさせて入れるようなことがあるかと思います。その際たたんだリアシートが段差になっていたりすると、これはマイナスとなります。
ちなみに現行ジムニーはリアシートを折りたたむと段差になる一方、パジェロミニは平面になっていました。こういったわずかな「差」を付けられるかが勝負の分かれ目ですね。
ジムニー 出展:suzuki.co.jp
パジェロミニ 出展:catarog.carsensorlab.net
燃費
ekワゴンより重量がかさんだと仮定すると、単純に考えて現行ekワゴンを下回るはずです。
現行eKワゴン、eKワゴンカスタムのうち最も燃費の悪いTグレードの4WDでは、JC08モードで21.8km/Lとなっています。
ということで燃費は多く見積もってもJC08モードで20.0km/Lといったところでしょう。もちろん燃費改善がなされれば、そこまで大きな差にはならないと思われます。
発売はいつ?
じつは2017年夏という説があったのですが、それは度重なる燃費不正や日産とのアレコレで大きくずれ込み、2018年秋というのが有力です。
時期的に今年の東京モーターショーには出展されないかと思いますが、コンセプトとして何かひとつ形として出てくる可能性はあります。
新型ジムニーとどう違う?
画像がリークした新型ジムニーですが、こちらは本格オフロードを極めた仕様が見て取れます。オフロードの走破性やタフさでパジェロミニがジムニーに勝つことはまずないでしょう。このあたりはユーザーの使用環境によって好みが分かれるところかと思います。
そうなると実用性・燃費で勝負するしかありませんね。
新型パジェロミニ、結局どう?
正直なところあまり期待はできません。初代パジェロミニが登場した頃は2代目パジェロがバカ当たりしていたため、その「子供」としてDNAが引き継がれた感がありました。しかし今やパジェロといっても「なにそれ?」の時代。もはやパジェロにすがることはできなくなっています。
つまり車そのもののよさで勝負しなくてはならず、「やっぱり三菱じゃん」となれば全てが終わってしまいます。そういった意味で求められるハードルは相当高いはずです。
そんな状況だからこそ変な冒険は避けたいところですが、その結果特徴のない中途半端なオフロード車が出来たとして、果たして市場に受け入れられるでしょうか?
ちなみにekワゴンの販売台数ですが、2017年7月度は3,107台となっており、悲しきかな、日産デイズは12,137台を売り上げています。同じ車なのに三菱というだけで売り上げが4分の1というありさまです。かつてのパジェロミニのように、日産からも「キックス」という名で販売されるのであれば、もしかしたら同じような状況になることも大いにありえます。
それをもって初めてパジェロブランドの崩壊が示されることになってしまうのです。
そういった意味で過度な期待はできないと思います。ですがパジェロミニの復活というのはうれしいものです。コンセプトやスタイルは大きく変わることが予想されますが、これが三菱復活に向けての足がかりになればいいですね。