2023年5月25日に販売を開始した三菱・デリカミニ。
これまでの三菱の車はあまり世間的に注目されることがありませんでした。しかしデリカミニは打って変わって多くの注目を集めています。
一体何が他のモデルと違うというのでしょうか。
目次
デザインよし
デリカミニが注目される一番の理由は、何といっても”生き物の目”のようなヘッドライトデザインです。
これまでにも可愛らしい丸目のヘッドライトをもつ車は多くありましたが、デリカミニほどまでキャラクター性のあるものではありませんでした。
似ていると言われるランドローバー・ディフェンダー(2019年12月~)、ホンダ・N-VAN[+STYLE FUN](2018年7月~)に比べても、デリカミニの目はより鋭く、眼力があります。
また、三菱のデザイン言語「ダイナミックシールド」を発展させて採用。往年のオフロード車を彷彿とさせるゴツめのバンパーデザインがタフさを演出しています。
CMよし
車のアピールにかかせないCMは重要な役割を担います。
キャンディーズ「年下の男の子」(1975年発売)の替え歌でリズム性ばっちり。しっかり歌詞に「三菱のデリカミニ」と盛り込んでいることで、ついつい口ずさむたびに頭にこびりついてしまいます。
また、随所に「ウェイ」というフレーズを盛り込んでおり、この車を象徴するフレーズとしています。どこかヤンチャな若者というようなイメージですが、誰のものでもない「ウェイ」という言葉が、デリカミニを連想させるという図式が出来上がっています。
そのかいあって、CM総合研究所が発表する2023年5月度CM好感度ランキングでは見事総合1位を獲得しています。
CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2023年5月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは、三菱自動車が初めてトップスリーに入り、スバルが12年ぶりのトップテン。自動車業類のトップテン入りは6カ月ぶり、2銘柄同時のトップテンは7年4か月ぶりとなる。
東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象やその商品に対する購買意向などを聞いた。今回の対象期間の4月20日~5月19日に放映された全CMは2397銘柄(前月比287銘柄減)で、このうち自動車業類は56銘柄(同7銘柄減)だった。
自動車業類では三菱自が新型軽自動車「デリカミニ」で約19年ぶりの首位、2位はスバル「インプレッサ」。ホンダは前月度から1ランク上がりトップスリーに入った。
CM総研はこれらの中からデリカミニに注目。そのCM好感度スコアは、CM総研が〝3千人調査〟を開始した04年4月度以降、三菱自の過去最高を記録するほど高い評価を得た。CMでは「年下の男の子」の替え歌をバックに、水川あさみが家族を乗せたデリカミニを運転し、犬のようなキャラクター「デリ丸。」とともにキャンプに出かける。水川が「ウェイ!」と楽しげに運転したり、荷室の収納力の高さを紹介する様子などを描いた。
男女とも幅広い層から得票し、中でも50歳代男性では総合1位に輝いた。懐かしいメロディーに乗せた替え歌やキャラクターの魅力がフックになった。CM好感要因は「音楽・サウンド」を筆頭に「かわいらしい」「心がなごむ」で同1位。視聴者からは「デリカミニとキャラクターの顔が似ていてとてもかわいらしい」「出演者が良い、車もかっこ良い、ぬいぐるみもセンスが良い」といったコメントが寄せられた。
キャラクターよし
CMに登場することで人気となっているキャラクター。”デリカミニの化身”だというその名も「デリ丸。」は、名前を一般公募し決定しました。
車とセットでキャラクターが登場することは過去にも例がありますが、当然考えるための時間もコストもかかりますし、もしキャラクターがイマイチだった場合など、リスクも付きものです。
しかし見た目が車と瓜二つという斬新なアプローチかつ「頑張っている男の子」のような車のキャラクターとマッチする絶妙なデザインが功を奏し、グッズ化も求められるほど受け入れられることに成功しています。
記事作成時点ではポケットタオルとフェイスタオルが発売されており、今後ぬいぐるみの発売も予定しているようです。ぬいぐるみだけ欲しいような人もいるのではないでしょうか?
性能よし
車は見た目が重要とはいえ、性能が伴ってこそです。
構造上eKクロススペースのマイナーチェンジと言う位置づけながら、はっきりと性能の向上が見て取れます。
・大径タイヤ&ショックアブソーバー
4WD車は165/60R15の大径タイヤを採用。軽ハイトワゴンでは最大のサイズを誇ります。さらにデリカミニ専用開発のショックアブソーバーを前後に採用し、アウトドアレジャーや荒れた路面での走行安定性を向上させ、快適な乗り心地を実現しています。
・フルタイム4WD
昨今で一般的な4WDといえば、常時FF走行で滑った時だけ後輪にも駆動を配分するビスカスカップリング式ですが、デリカミニの場合は前後輪間の回転速度差をわずかに設定し、駆動力を常に4輪に配分しています。
これにより常にどっしりと路面をとらえることができ、雨や雪の日、未舗装路での安心快適な走りを実現しています。
・グリップコントロール
雪道やぬかるんだ路面で片側の駆動輪が空転した場合、スリップした駆動輪をブレーキ制御し、路面をグリップしている駆動輪の駆動力を確保することで発進をサポートします。
軽ハイトワゴンのなかでは、トップクラスのオフロード性能だと言えます。
アフターパーツよし
人気の車であればあるほど、アフターパーツが充実しているものです。それもそのはず、ユーザーが多ければ多いほどビジネスとして魅力的だからです。
まだ出たばかりというデリカミニですが、すでに多くのアフターパーツが用意されています。もともと三菱にはオフロードミニバンという唯一無二の個性もつ「デリカD:5」があり、デリカを専門としたパーツメーカーが存在しています。デリカミニはその”子供”というような位置づけですから、パーツメーカーが黙っているわけがありません。
フロントバンパーガードやリアラダー、リフトアップキットなどが既に開発、販売されています。
・オートフラッグス(http://www.autoflags.co.jp/)
・コルトスピード(http://www.colt-speed.com)
同じアウトドア系軽ハイトワゴンのスズキ・スペーシアギアやダイハツ・タントファンクロスに比べて、より本格的なカスタムが可能です。
まとめ
あえて”奇跡”という言葉を使ったのは、三菱にはこれほどまでに盛り上がるような車が長い間存在しなかったためです。三菱に限らず、デザイン、性能、CMからキャラクターまで、全てが見事にハマることはそう滅多にありません。
新たな看板車種が生まれたことがなにより喜ばしいことです。
時期尚早ですがここまでヒットすれば当然2代目も検討されるはずです。今回はeKクロススペースありきのものでしたが、最初からデリカミニとして設計されるとしたら、より期待のできるモノになるのではないでしょうか。