ファミリーのお出かけに最適なミニバン。
家族みんなで色々な場所へ行きたいものですが、大きな車体を運転するのは気を使います。とりわけ道幅の狭い日本においては、いかに小回りが利くかが重要になってきます。その指標となるのが「最小回転半径」です。
2022年現在販売されているミニバンで最小回転半径を比較してみました。
目次
最小回転半径とは
ハンドルを最大限に切った状態で旋回した際、1番外側のタイヤの中心が描く円の半径のことをいいます。
最小回転半径の値が小さいほど小さな半径で曲がれるということになります。つまり「小回り」のよさの目安になる数値です。
最小回転半径は、クルマのホイールベース(前後のタイヤの中心間距離)、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)、タイヤ外径などで決まり、全て大きければ大きいほど最小回転半径も大きくなります。
また、前輪が駆動輪になるFFや4WD車は切れ角が狭くなりやすいので、駆動方式も関係してきます。
エントリー車種
2022年記事投稿時点で販売されている現行のミニバンを対象とします。
※メーカーHPでミニバンカテゴリーとされているもの。
メーカー | モデル |
トヨタ | アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、シエンタ、グランエース、ハイエースワゴン |
日産 | セレナ、エルグランド |
三菱 | デリカD:5 |
ホンダ | ステップワゴン、フリード |
スズキ | ランディ |
※マツダ、スバル、ダイハツには該当車種なし
メーカーが公表している「最小回転半径」をベースに比較として駆動方式、タイヤサイズ、必要に応じてグレードをできる限りまとめて記載しています。あくまで数値上の比較ですのでご了承ください。
トヨタ
トヨタにおいてはシエンタが最も最小回転半径の小さいミニバンとなります。
2022年8月に発売を開始した3代目シエンタは15インチ小径タイヤの恩恵もあり、最も取り回しのしやすいミニバンであるといえます。
逆に最も最小回転半径が大きいのはハイエースワゴンのスーパーロング(4WD)です。15インチという小径タイヤながらホイールベースが長く、かつ4WDという機構のため最小回転半径は大きく6.3mとなっています。
日産
日産におけるミニバンの最小回転半径は全て5.7mとなります。
2022年12月に販売を開始した6代目セレナは16インチタイヤを装着していますが、より大きな18インチを装着するエルグランドと差がありません。おそらくセレナの方が機構が複雑なため相殺されたと考えられますが、見方によってはエルグランドも取り回しがしやすいと言えます。
ホンダ
ホンダにおいてはフリードが最も最小回転半径の小さいミニバンとなります。
ライバルとされる新型シエンタと同様に15インチ小径タイヤを装着していますが、比較すると0.2mの差でシエンタに軍配が上がります。基本設計の古さが表れています。
ステップワゴンでは16インチと17インチで0.3mの差があります。見た目を取るか最小回転半径を取るかですね。
三菱
三菱はミニバンがデリカのみとなります。グレードによってタイヤサイズに違いがありますが、最小回転半径はともに5.6mです。
ディーゼルエンジンに4WDという武骨な印象がありますが、新型セレナよりも小回りが利くというのは意外です。アウトドアシーンでもそこまで取り回しに気を使うことはないでしょう。
スズキ
2022年7月より販売を開始した4代目ではトヨタ・ノアのOEMとなっています。よって基本的にはノア/ヴォクシーと同じ数値ですが、グレード展開により最小回転半径は統一されています。
まとめ
ランキング形式にまとめると以下のようになりました。
国内のミニバンで最も最小回転半径が小さいのは、トヨタ・シエンタの5.0mという結果になりました。
次点ではそのライバルとなるホンダ・フリードが位置していますが、以外にも車格の大きなハイエースワゴンが位置づけています。これは近年少なくなってきたFRレイアウトによる恩恵といえます。より荷物を積みたい場合はハイエースであれば狭い道路状況でもその恩恵を存分に発揮できるでしょう。
この記事投稿時点で最も新しい日産・セレナは新型ではあるものの、取り回しのよさはライバルのノア/ヴォクシーに劣ります。
アウトドアで人気の三菱・デリカですが、アルファード、ヴェルファイア、エルグランドのハイグレードと同じく、国内ミニバンとして最大の18インチタイヤを装着しています。存在感の強さはこういった所からも感じることができます。
車内の広さや使い勝手も重要ですが、駐車場やお住まいの地域、使用用途によっては最小回転半径も重要なポイントになります。是非参考にしてください。
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