電気自動車が本格的に普及し始めた現代において、各社から様々なEVモデルが発売されていますが、同時に数多くのベンチャー企業がEV車の製造に参入しています。
そういった新しい企業は、これまでの自動車作りとは違ったユニークな発想が特徴で、今回ご紹介する1台もまさにその一つと言えます。
レトロなクーペEV「Alpha・ACE」
(和約)
カリフォルニアに拠点を置くアルファモーター社は、レトロモダンな電気自動車「ACE」を公開しました。価格は現時点で公開されていませんが、予約の受け付けを開始しています。
ACEは明らかに60年代の小型でスポーティなヨーロッパ車にインスピレーションを受けています。フラットなフロントフェイスと角ばったヘッドライトは初代フォード・エスコートを彷彿とさせます。スムーズなルーフラインからは、当時のフィアット・850クーペ、NSU・スポーツプリンツ、フォルクスワーゲン・タイプ3のような雰囲気を感じさせます。横一直線にデザインされたテールライトがエクステリアにおいて最も現代的な部分です。
サイズ感としては長さ165インチ(4,180mm)となっており、現行スバルBRZの166.7インチ(4,324mm)に比べ若干短い程度です。
インテリアはミニマリストの極みといえます。唯一の物理ボタンは電源を入れるためのもので、ハンドルの下側、ドライブセレクターの横に位置しています。ダッシュボードの中央にはタブレットのようなディスプレイが設けられ、機能、インフォテイメントの操作を全て行います。各所に落ち着いた高級素材が使用されており、ドアハンドルもシンプルなレザーの輪っかになっています。
現時点のスペックによると、ACEの航続距離は250マイル(402km)です。時速60マイル(96km/h)までの加速はおよそ6秒。後輪駆動となっています。スポーティな小型車としては十分な数値です。アルファ社の大きな挑戦としては、購入者を獲得するための価格設定にありそうです。
アルファ社はACEをクーペとして公開していますが、モジュラープラットフォームにより、将来的にセダンやクロスオーバーといったモデルも可能であると言及しています。
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日本国内のEVといえば日産・リーフがあり、ホンダも「e」を発売していますが、日本のベンチャー企業の話題は特に聞きません。斬新なEVのニュースはほぼ全て海外から入ってくるのが寂しいような悲しいような。
かといって、航続距離や充電時間の問題でピュアEVには抵抗があるのも事実です。とりわけ日本のように自然災害の多い地域では、いざという時に役立つがどうかが今後重要になってきます。
大雪で立ち往生して2~3日動けないといった状況で、はたして電気自動車が乗員の安全を保障してくれるでしょうか。自動車に求める付加価値がこれから大きく変化していくと思います。。