トヨタは2017年7月10日、今年1月のデトロイトモーターショーで世界初披露したミッドサイズセダンの新型「カムリ」を日本で発売しました。
出展:toyota.jp
月販目標台数は2400台とのことですが、そもそもこのご時世にセダンは売れるのでしょうか。
使い勝手のいいSUVやミニバンがファミリー層に圧倒的人気なのは、なんとなく分かります。軽自動車の人気もすさまじく、街でセダンを見ることはタクシーなどを除いてかなり少なくなってきました。セダンに乗った家族を見ることはもっとレアでしょう。
目次
セダンの売り上げは?
では実際、セダンはどの程度売れているのでしょうか。本記事では一般社団法人「日本自動車販売協会連合会」が発表している車種別販売台数のデータをもとに、2013年から2016年までのセダン販売台数とその割合を調査してみたいと思います。またこのデータは販売台数上位30位のみとなり、軽自動車は含まれません。
なお、今回セダンの定義として、「ボンネットと独立したトランクリッドを持つトランクルームの間に車室を持つタイプ」であるノッチバックセダンを対象とし、「独立したトランクリッドを持つ代わりにリアハッチを設けた」ハッチバックセダンはコンパクトとします。簡単に言うとプリウスはコンパクトに計上しています。
また、カローラ、インプレッサ、アテンザは「セダン」として、アクセラは「コンパクト」として計上しています。
1、タイプ別販売台数割合
表1:タイプ別販売台数割合
調査をした4年間の中では、セダンに含まれる車種はクラウン、カローラ、インプレッサ、アテンザの4車種のみでした。
グラフからも分かる通り、セダンが占める割合は年々減少傾向です。その分ミニバンが増加傾向です。意外とコンパクトカーの割合が減少していますが、その分SUVやワゴンを選ぶ人が増えたと考えられます。
2、タイプ別販売台数推移
表2:タイプ別販売台数推移
次に、販売台数と照らし合わせてみましょう。こうしてみると販売台数の違いがよくわかります。意外なのは、SUVの販売台数が少ないことです。
最も販売台数の多いSUVはホンダのヴェゼルでした。ですがヴェゼルが発売された2014年以降でみても、ヴェゼルよりカローラの方が販売台数で上回っているのです。ですがカローラといってもワゴンタイプのフィールダーも含まれているため一概には言えませんが、改めてカローラの強さを感じさせます。
※ちなみに「カムリ」の名前は一度も出てきませんでした。
まとめ
「セダン離れ」は本当でした。
前に述べていますが、このデータはカローラ、インプレッサ、アテンザを「セダン」として計上しています。この中にはハッチバック・ワゴンも含まれているため、実際本当の「セダン」の販売台数はさらに少ないと思われます。
しかしクラウンやカローラもしっかりとその地位にとどまっているのも事実です。
新型カムリはこの厳しい状況の中、一体どれだけ存在感を出せるのでしょうか。
見守りたいと思います。