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ヨーロッパも中国から車を輸入する日が来る
一体どれだけの人が自分の車がどこで製造されたかを知っているだろうか?イギリスで人気の新モデルのいくつかも世界中で製造され輸送されてきており、例えばメルセデスCクラスとフォルクスワーゲンポロは南アフリカ製。ヴォクスホールモッカXは韓国のプピョン製だ。実際、販売された車の中でここイギリス製なのはわずか15%程に過ぎないのだ。
おそらくあなたは推測してみるに違いないが、大多数のユーザーは考えもしない。しかし、もしその車が「中国製」だとしたら?
「メイドインチャイナ」にはいつもネガティブなレッテルを感じる人もいるだろうが、その考えは完全に古いと言える。先週訪れた北京モーターショーでそう感じたのだ。
Lynk&Coは中国 張家口市に1.4億円をかけ建設された新工場に、初めてメディアを招待した。施設は完成までに3年を費やし、自動化された工程のおかげで年間20万台の生産能力を持っている。(※中国の自動車メーカーである吉利汽車(ジーリー)が2016年に立ち上げた新ブランド「Lynk & Co」)
Lynk & Co 02
ほとんどのロボットがドイツ製、接着剤はスイス製。世界でも有数の高水準な自動車工場となっており、それは02クロスオーバーを運転して感じることができた。実際、この工場から出荷される自動車は、ヨーロッパで生産されるいくつかの自動車よりも高い水準で仕上げられているのだ。
フォルクスワーゲンのセールス・マーケティング部長のJürgen Stackmann(ユルゲン・スタックマン)氏は、「会社は中国から車をヨーロッパへと初めて輸出しようとすら考えている。10年前は考えられなかったことだが、近い将来地元のディーラーに「メイドインチャイナ」のラベルを貼った車があっても驚くことではない。」と語っている。
出展:www.autoexpress.co.uk
Lynk&Coとは
中国の自動車メーカー、ジーリーの新ブランドであるLynk & Co(リンクアンドコ)は、昨年中国市場で自社モデルの販売を開始しました。大型SUVモデル「01」は2019年に初めて欧州での発売を予定しており、小型クロスオーバー・モデル「02」は欧州市場のシェア獲得に向けた中核モデルという位置づけです。
スウェーデンの自動車メーカー ボルボカーズもジーリーの傘下であり、「01」はボルボカーズの新世代小型車用車台「CMA」を共有して開発されています。さらに「02」には、ボルボXC40の3気筒1.5ℓエンジンを積んだ、ハイブリッドとプラグインハイブリッド・モデルとして2020年に発売されることになるとしています。
Lynk & Coの欧州モデルは、全てハイブリッド車となる予定です。
ジーリーCEOは「ジーリーはグローバリゼーションと中国市場の成長に大きく恩恵を受けている若い会社です。ジーリー・ブランドが世界中で知られるようになり、自動車の世界を再構築する手助けができればと思っています」と語っており、その野心は欧州を越えて拡がっていくと思われます。
このように中国メーカーの車は現実的にヨーロッパでの販売を予定しており、この流れはますます拡大していくと考えられます。中国製だからといっても、買収などにより十分な技術力を手に入れた巨大な中国メーカーは、これまでの自動車メーカーにとっても脅威となるはずです。ここ日本でも近いうちに見かける日が来ても、何らおかしくはないのです。