購入した車に不具合があった場合、あなたならどうしますか?
おそらく大半の方は販売店に問い合わせ、実際に車を見てもらうでしょう。これで無事解決すればいいのですが、中にはあまりの不具合に耐えられずメーカーに直接苦情を言う方もいるかもしれません。
そしてその最たるものとして、国土交通省に不具合を報告することができますが、マツダのCX-80がさっそく報告されてしまったようです。
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CX-80
MAZDA CX-80は、マツダが2024年から製造・販売する、大型・高級クロスオーバーSUV。
マツダのラージ商品群の最終モデルとなる第4弾として位置づけられる3列シートミッドサイズ・クロスオーバーSUVで、2024年4月18日に欧州で初公開。日本では2024年(令和6年)10月10日に販売を開始しました。
自動車の不具合情報ホットライン
国土交通省では、リコールの迅速かつ確実な実施のため、ユーザーからの不具合情報を収集しています。
物流・自動車局 審査・リコール課が運営する「自動車の不具合情報ホットライン」には、設計・製造過程に問題があると考えられる自動車、タイヤ、チャイルドシートの異常について誰でも自由に報告することができるようになっています。
国土交通省は、自動車メーカーがリコールを放置したり、得意先の車両だけを無償で改修するといった不公平な対応を行わないよう監視しており、必要に応じて業務改善の指導等を行っています。このような指導等を行う際に、皆様からの情報を収集・分析して活用させていただいています。
出典:国土交通省
申告されてしまう
寄せられた不具合情報は、メーカー、型式などから検索することが可能です。
自動車については受付日が2007年01月01日 ~ 2025年2月28日の情報の中から検索することができるようになっています。その中にCX-80に関する不具合情報が申告されていました。
受付日 | 2025年1月20日 |
住所 | 長野県 |
型式 | 5LA-KL5S3P |
走行距離 | 500 Km |
申告内容 |
電動機(モーター)
表示パネル上に重大故障HVシステム故障点検受けてくださいと表示が出て、チェンジレバーがロックされて走行不能になった。ディーラーで確認したところ、HVバッテリーのどこかに水分が入って漏電したものと診断された。
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2025年1月に長野県のユーザーが申告した内容です。走行距離500kmと少ないですが、モーターの不具合で走行不能に陥ったようです。ディーラーの診断によるとバッテリーの漏電とのことで、危険な状態と見受けられます。
ちなみに2025年4月現在、この件に関連するようなリコールは発表されていません。
マツダは不具合が多い
なぜ今回CX-80の不具合情報を調査したのか、それはCX-60の品質問題が深刻だったからです。
人気のSUVセグメントの登録車に限定し、同システム上で2023年に受付された届出件数を調べたことがあります。
※受付日なので必ずしも現行モデルが全て対象というわけではありません。
※2023年12月6日時点
出典:国土交通省
この結果からも、マツダの不具合情報の多さが際立っていることが分かります。特にCX-60の受付件数が全モデル中トップの92件となっています。CX-60は初代なので過去のモデルは含まれていないことからも異常な多さだと言えます。2022年(令和4年)6月24日より予約受注を開始し、e-SKYACTIV D搭載車は同年9月、その他モデルは同年12月に販売開始しています。
マツダの品質は最下位
CX-60がもたらした品質不具合は、ユーザーの満足度にも大きな影響を与えました。
顧客満足度を調査するJDパワージャパンが2024年9月11日に公開した自動車の初期品質調査の結果、2024年度においてマツダが最下位であることが明らかとなりました。
CX-60を筆頭にマツダの品質に対する苦情が多く寄せられたことは事実であり、信用を大きく損なってしまったことが明白です。課題を残したまま高級路線を突っ走り、CX-80でも同じことが起これば取り返しのつかないことになるでしょう。
そしてやはり、既に異常を訴えるユーザーが出てきてしまっているのです。それも”走行不能”という深刻な不具合です。
もちろん、自動車は非常に複雑な工業製品であり多少の不具合はあるかもしれません。しかしCX-60が仕方ないでは済まされないほどのお粗末な代物であったため、マツダは品質に対して特に注意すべき立場にあります。またリコールを連発するような事態になっては信用が失墜することになります。この不具合情報が事実であるならば、早急な対処が求められます。