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【2013vs2017】4年前の自動運転技術とは?現在との比較

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今から約4年前の2013年10月に開催された「ITS国際会議東京2013」。ホンダとトヨタが自動運転技術を公開しました。

ITSとは高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)の略で、ヒト・道路・自動車をネットワーク化することで交通事情すべてを把握し、ムダのないスマートな交通を目指すシステムといえます。1994年から続いており、未来の自動車のあり方を考える国際的な会議です。

本記事では、ホンダ、トヨタ、日産について、2013年から2017年にかけての進捗具合と、その差異についてまとめたいと思います。

目次

ホンダ

ITS国際会議2013でホンダが発表したのは、クルマの周辺情報をセンサーが捉え、障害物や危険を判断し回避する技術「協調型自動運転技術」と自動的に駐車位置に停まったり、買い物終了時に自動的にクルマが迎えにくる技術「自動バレーパーキング」です。

Honda Sensing

2017年現在、ホンダでは先進の運転安全システム「ホンダセンシング」を展開しています。登場は2014年ですが、初めて搭載されたのは2015年1月にマイナーチェンジを行ったオデッセイとなります。

ミリ波レーダーと単眼カメラで、クルマの前方の状況を認識。ブレーキやステアリングの制御技術と協調し、安心・快適な運転や事故回避を支援する先進のシステムです。

出展:honda.jp

ホンダセンシングには大きく分けて8つの機能があります。

・衝突軽減ブレーキ
・歩行者事故低減ステアリング
・渋滞追従機能付きACC
・LKAS(車線維持支援システム)
・路上逸脱抑制機能
・誤発進抑制機能
・先行者発進お知らせ機能
・標識認識機能

2013年の発表をもとに考えると、クルマの周辺情報をセンサーが捉え、障害物や危険を判断し回避する技術「協調型自動運転技術」は「ホンダセンシング」として完成されていると言えます。ですが、買い物終了時に自動的にクルマが迎えにくる技術「自動バレーパーキング」についての情報は聞こえてきません。

しかし2016年4月、政府は駐車場運営大手や研究機関と共同で全自動駐車場(自動バレーパーキング)の実証実験を平成29年度から始める方針を発表しています。既存の駐車場でも自動駐車が可能なシステムを開発し、平成32年の本格導入を目指しています。

こちらの話も聞こえてきませんが、開発が継続されていることを伺わせます。いずれにせよ、さらなる発展が期待されるのも事実です。

さらに、2013年では想定していなかった自動運転についてもホンダは開発を進めています。ホンダは2017年6月8日、開発を進めている自動運転について、2025年頃をめどに、「レベル4」の技術的な確立を目指すと発表しました。レベル4とは人がいなくても目的地に到着できるレベルです。

その過程で、2020年までに高速道路での自動運転技術を実現し、その後一般道に拡大する計画も打ち出しています。

トヨタ

トヨタが発表した自動運転は、無人の自動運転ではなく、あくまで運転手の負担軽減を目指した支援システムといえます。それが「高速道路における高度運転支援システム」です。これは高速道路を走行中に先行車両や道路の白線などの情報を読み取り最適なラインを、最適な車間距離で走行するよう運転支援や運転負荷の軽減を行うというシステムです。トヨタはこの技術を2010年半ばには実用化させるとしています。

Toyota Safety Sense

2017年現在、トヨタではさまざまなリスクに備える、先進の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を展開しています。初めて搭載されたのは2015年3月にマイナーチェンジを行ったカローラアクシオ/フィールダーとなります。

交通時と死亡者ゼロという究極の願いに抜けて、トヨタは様々な事故に備える衝突回避支援パッケージを開発しました。実際に起こった交通事故を分析し、事故が起こりやすい高速度域や夜間、車線逸脱といった様々なシーンをカバーするための機能をパッケージ化しました。万が一の時でも事故を回避または被害軽減できるよう、ドラーバーをサポートします。

出展:toyota.jp

Highway Teammate

「Highway Teammate」は、「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発した新型の自動運転実験車です。高速道路などの自動車専用道路において入口ランプウェイから出口ランプウェイまでを自動走行します。

トヨタは、この「Highway Teammate」を2020年頃に実用化することを目標に、自動運転の研究開発を進めています。

2013年の発表はこの「ハイウェイチームメイト」のことだと思われますが、当時の目標である2010年半ばの実用化は、2020年頃の実用化に変更されているようです。

日産

日産自動車は、家電とITの国際展示会「CEATEC JAPAN 2013」で自動運転技術を国内初披露しました。日産の自動運転技術は、複数のセンサーを使い、クルマの周囲の情報を360度をリアルタイムで認識しながら自動で走行するというものです。ほとんどハンドルを握らなくてもクルマが周囲の情報を把握して目的地まで向かってくれるというもので、2020年までに同社の複数の車種で自動運転を実用化することを発表しています。

Pro Pirot

プロパイロットは日産自動車が展開する自動運転機能です。高速道路での、単調な“渋滞走行”と長時間の“巡航走行”の2つのシーンで、ドライバーに代わってアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御してくれます。初めて搭載されたのは2016年8月に発売された5代目セレナです。

プロパイロットには以下の内容が含まれます。

インテリジェントクルーズコントロール

  • 先行車を検出しているときは、運転者がセットした車速(約30~100km/h)を上限に、車速に応じた車間距離を保つように車間制御を行い走行します。
  • 先行車が停止したときは、先行車に続いて自車も停止します。一度停止すると、インテリジェントクルーズコントロールは停止した状態を保持します。
  • 先行車が発進したときは、ステアリングスイッチのRES+スイッチを押すか、アクセルペダルを踏むと停止状態を解除し、再びインテリジェントクルーズコントロールによる追従走行を開始します。先行車を検出していない場合は運転者がセットした車速で定速走行します。(約30km/h以下では前方に車両がいない場合使用できません。)

ハンドル支援
車線中央付近を走行するようにステアリングを制御し、運転者のハンドル操作を支援します。(約50km/h以下では前方に車両がいる場合に作動できます。)

出展:nissan.jp

完全な自動運転ではなく、走行中にドライバーを補助する運転支援システムであり、高速道路のような直線道路のみでの使用を想定しています。

また、「プロパイロット」は2018年までに高速道路での車線変更を行えるようになり、2020年には高速道路だけでなく一般道路にも広げる予定となっています。日産自動車が自動運転技術を国内に初披露したのが2013年ですから、この4年間に大きく進歩していることが分かります。

まとめ

今回ホンダ、トヨタ、日産の進捗具合を確認してみて、いずれも2013年のビジョンに向けてしっかり進んでいることが分かりました。各社とも2020年には高速道路での自動運転実用化を目標としているようです。なかでも日産は2020年には一般道での自動運転を目標にしていますが、2013年の時からその未来を見据えていたということがよくわかります。対照的にホンダはここ数年で大きく目標を転換しています。当初は自動運転には消極的でしたが、ここへきて大きな目標を掲げて開発を進めています。推測の域を出ませんが、おそらくバレーパーキングの開発よりも、まずは自動運転を確立する必要があると判断したのでしょう。その中でバレーパーキングのようなホンダ独自の機能がお目見えする日が来るかもしれません。

今年のITS国際会議は2017年10月29日~11月2日にモントリオールでの開催となります。

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